社歴ある中小企業ほど遅れるIT化--「勘定奉行」のOBCが支援する働き方改革 - (page 2)

佐藤和也 (編集部)2017年12月01日 08時00分

求められる総務部門のシステム投資と“何ができるか”をセットで考える

――そのあたりは特設サイトでも細かく掲出していますが、ひとつひとつの事例に対して、時間短縮の目安を事細かく書かれています。

 経営者にも従業員の方々にも、どのような効果があるかというのをはっきりと提示すること、そして勤務時間の短縮は小さなことを積み重ねていくことによって、中小企業でも小さな投資で大きな効果が得られるというメッセージも含めています。

勤怠情報入力自動化モデルの一例
勤怠情報入力自動化モデルの一例

――ここでの固定業務は、主に総務部門で多く関わることだと思いますが、ここにテクノロジを活用するというところがまだ積極的ではないようにも思います。

 さまざまな規模の会社さんとお話していますが、私たちも総じて感じています。特にシステム投資に対して踏み込めない経営者の方が少なくありません。ただ、総務部門が給与関係や入退社が多い時期など、過重になるタイミングというのは必ずあります。そうなると少なくない残業代も発生します。その分をシステム投資にかけるというバーターで理解を求める方法もあります。

 一方で時間が削減できたら、その分で何をやってもらうかということが見えないと、従業員の方は自分の仕事が無くなるだけととらえて不安になりますし、経営者も人件費削減に走ってしまう危険性があります。なので、その人が他にできることを見いだして、次のステップに進めていけるようにすることもあわせて考える必要があります。社内の環境整備や人材育成、最適化した職種にかかわっていくことも含めて考えていく必要もあるかと思います。

 総務部門の生産性を向上することによって、先進的な取り組みを経営や現場に対して提案し、そして社内全体の生産性が向上すれば、最終的に売り上げも向上するという循環を作っていくことが大事です。そのとっかかりとして、まず固定業務にかかる時間を減らすということを提唱しています。業務や業種によってかかる時間はまちまちですし、時期によっても異なるところはあります。作業や成果が固定的なところは効率化して、変動する業務に時間を当てましょうとうたっています。

――総務部門のシステム投資に対する理解を進めていくには、どのようなことをすればいいでしょうか。

 総務部門の方々が業務としてやっていることを周囲が理解し、共感ができるか、そして経営と現場とのつながりを持てるかが、IT化のカギになるのではと思います。現場で働いている方々にもちゃんとメリットがあるということを提示しなければ、理解も進んでいかないのも事実です。でも現場で働く方にも固定化している事務的な作業もあります。お互いが快くできるように、効率化して便利にするという提示も大事です。

 ある会社さんのお話ですが、給与明細を紙の手渡しから電子化したところがありました。明細の印刷や封入、手渡しも結構な時間がかかりますし、手渡しのためにその従業員を待つということも時間のロスなんです。これで効率化が進んだというのはイメージできる話だと思いますが、それだけではありません。その会社さんでは全般的にIT化が進んでいなかったところですので、実際に触れることで「こういうのがIT化なんだ」という認識が社内で浸透していって理解されるようになったんです。そこからIT化に向けたシステム投資が進んでいきました。なかなか現場の方々は理解しにくいところで、共感の第一歩となったんです。

明細書電子化モデルの一例
明細書電子化モデルの一例

 私たちも総務部門の方々と接していて、情報交換の場で総務部門の方々が、お互いに新システムの導入などIT化が進んでいくことに喜んでいる姿をいくつも見てきました。そういう光景を見ていると、理解していただいたことの嬉しさもありますし、求められていることだと感じています。総務部門の進言にも耳を傾けてほしいですし、そこからさらに発展していくものがあるととらえています。

――これから先、総務部門に従事する従業員にもツールの情報などを追っていく、ITリテラシーの高さも求められるようにも思います。

 情報感度の高いような若い方が、常に総務を担当しているわけではありません。スマートフォンの普及はだいぶ進んでいますが、誰も持っていないという企業さんも現実にあります。逆にいえば、ここがIT化のタイミングですと、リテラシーの向上も含めてお話をさせていただくこともあります。目的感がないとスマートフォンを持つという気分にはなれないですし、業務に導入しようとする文化もないと思います。このタイミングだからこそ、IT化に向けて手を入れてほしいです。

 加えて、そういったツールに詳しい若い方の進言に耳を傾けられるかというところもありますので、経営者やオーナーといった、実際に決裁権を持つ方もあわせてITリテラシーを持ってほしいです。

――近年ではさまざまな企業で会計関連のソフトやサービス、働き方に向けたサービスを展開していますが、どのように見ていますか。

 ベンチャー企業さんを中心に、クラウドを活用したさまざまなサービスが出てきているのは把握していますし、こちらとしてもフットワークの軽さや先進的な取り組みには見習うところがあります。それによってひとつでも多くの企業の業績が向上し活気づくことはとても大切です。一方で私たちとしても、長年の基幹業務で培ったノウハウや、積み重ねによって得られた信頼があります。

 もともとOBCは基幹業務を支えるというスタンスだったのですが、クラウドが基幹業務の領域にも入り込んできたことにより、従業員の目線にも立って、クラウドで最も有効なツールを提供するという、企業業務を支えるOBCというスタンスになりました。より人間だからできることにフォーカスしていくという考え方は、会社の創立当初からあります。働き方改革の考え方はその延長線上のことですし、その話題が出てくる前から取り組んできたことでもあります。

 外部調査で顧客満足度について評価をいただくこともあるのですが、それは単純に勤務時間の短縮や残業代の削減だけで得られたものではないととらえてます。モチベーションの向上、そして企業や従業員が満足度の高まるものを提供しているからだと思いますし、それが働き方改革の根底にあるものです。満足度は企業ごと、個人ごとで違うものではありますが、そのなかでも顧客満足というのをITの分野で追及していくと。クラウドでさまざまなものがネットでつながる時代ですから、基幹業務や総務部門に携わる人と現場などの前線で働く従業員、そして経営者もつなげて、企業の満足度を高めていきます。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]