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DVERSEが提供する“100mmの差”まで伝えられるデザイン向けVRソフト--聴覚、触覚への挑戦も

加納恵 (編集部)2017年11月16日 08時30分
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 「SYMMETRY(シンメトリー)」は、3D CADデータを取り込むだけでVR空間を再現できる建築、デザイン、土木業界向けVR制作ソフトウェアだ。市販のヘッドマウントユニットを装着することで、体験ができ、入り込めるのはリアルな室内空間。天井の高さや部屋間の移動など、実サイズに基づいたVRで、体感しながら建物を見て回ることができる。

 手がけたのは米国デラウェアに本社を置くDVERSE(ディバース)。現在無料アプリとして提供し、パース画や3D CADデータで見ていた不動産の内見や建築デザインの確認の形を大きく変えようとしている。

 米国に本社を構えているものの、日本で企画、開発を進めており、スタッフの多くも日本人。代表の沼倉正吾氏に米国で起業した理由から、視覚に加え、聴覚、触覚までをVRを再現しようとしている今後の展開までを聞いた。

DVERSE代表の沼倉正吾氏
DVERSE代表の沼倉正吾氏

スピード感、規模感を提供してくれた米国で起業

――最初に米国で起業した背景を教えていただけますか。

 起業にあたり、2013年に日本国内のベンチャーキャピタルや投資家を回ったのですが、当時はVRの認知度が今ほど高くなく、市場には浸透しないだろうというのが人々の見解で、日本での資金調達が思うように進まなかったことが最大の理由です。

 設立から約4年が経過していますが、会社自体はシード期で大きく利益が出てくるにはあと1~2年かかるとみています。長いスパンで事業を見て、支援してもらえることを考えたとき、日本のスピード感、規模感ではたぶんできなかったと思います。

――SYMMETRYは現在無料で配布されているとのことですが。

 VRは、市販のヘッドマウントディスプレイが登場し、ゲームコンテンツもラインアップされていますが、まだ立ち上がったばかりの市場です。まずは試してもらうことが先決と判断し、フリーソフトとして2月に提供を始めました。

――もともと不動産向けとして開発を進めていたのですか。

 当初はエンターテインメント寄りのコンテンツを手掛けていましたが、CADの制作会社の方からVRを活用できないかと相談いただいて2015年の8月頃に開発をスタートしました。

 建築の現場では、イラストや3D CADデータを見ながら、施主の方と打ち合わせをしているのですが、実際に出来上がったものを見ると天井が低い、思っていたデザインと違うなどのトラブルが起こっていることがわかりました。

 そこで、物の大きさや高さ、広さ、奥行きといった平面では伝えきれない情報をリアルに伝えられるVRの一番の特徴をいかしてSYMMETRYは作りました。

 現在は3D CADを見て、実際の空間を体験してもらうことはもちろん、アイデアベースの3D CADデータを読み込むことで、施主と建築家が同じ空間に入り、情報を共有できるツールとして活用いただいています。

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