パイオニアは11月9日、2018年3月期第2四半期(7~9月)の連結業績を発表した。売上は減収となったが、営業利益は増益となり、計画をクリアしている。
第2四半期の売上高は前年同期比2.3%減の929億円、営業利益は約2倍の23億円、経常損益はほぼ横ばいの9億円、当期純損失は同3億円の赤字から6億円の赤字となった。売上高は減収になったが、減価償却費の減少などにより原価率の良化が増益に結びついた。
上期(4~9月)の売上高は前年同期比7.5%減の1762億円、営業利益は約1.3倍の20億円、経常損益は4億円の赤字(前年同期は28億円の黒字)、当期純損益は26億円の赤字(同10億円の黒字)となっている。
カーエレクトロニクス分野は、売上高が同5%減の746億円、営業利益が前年とほぼ横ばいの18億円。円安の効果や、市販、OEMともにカーオーディオの新製品導入効果があったものの、カーナビゲーションが市販、OEMともに減少した。OEM比率は前年同期から3%下がり、57%になっている。
その他分野は、売上高が同9%増の183億円、営業利益が前年同期6億円の赤字から5億円の黒字に転換。FA機器、光ディスクドライブが順調に推移したことに加え、原価率の良化や為替影響などにより増収増益となった。
トピックスとしては、9月下旬から提供を開始したMEMSミラーを用いた「3D-LiDAR」サンプルとHERE Technologiesとの業務、資本提携を紹介。
パイオニア代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏は「3D-LiDARは自動運転必須のデバイスとして開発を進めており、予定通り9月下旬から国内外の自動車会社にサンプル供給を開始した。東京モーターショーにも出品したが、来場者からも高い関心を集め、自動運転への取り組みに対し理解を得られる絶好の機会となった。今後は供給先からのフィードバックをもとに、用途に適した開発をスピード感を持って取り組んでいく」とコメントした。
HEREとの提携については「最終的な目標は自動運転におけるグローバルの詳細地図を標準化すること。マーケットごとにフォーマットが違うと非効率な面がある。これを一元管理できるようにしていこうと考えている」と今後の取り組みを示した。
パイオニアでは、2018年3月期通期の連結業績予想を、売上高3800億円、営業利益100億円、当期純利益35億円としており、8月の発表時の数字を据え置いている。
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