パイオニアは8月7日、2018年3月期第1四半期(4~6月)の連結業績を発表した。カーOEMの売上減少による売上総利益の減少から、売上高は前年同期比12.6%減の833億円、営業損益は同4億円の黒字から2億円の赤字、経常損益は同20億円の黒字から12億円の赤字、当期純損益も同13億円の黒字から20億円赤字となった。
OEM事業が減少したカーエレクトロニクス分野は、売上高が同9%減の692億円、営業利益は7億円悪化し、3億円となった。前年同期では国内の新製品導入があったが、今期は新製品投入時期の変更に伴い減収となった。
パイオニアの代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏は「国内向けの『サイバーナビ』は期初の計画からずれ込むとしており、例年第1四半期に導入していたものが、2017年は9月になる。また北米向けのヘッドユニットも、計画では6月に導入予定だったが、7月にずれ込んだ。これが売上の下振れ要因。第2四半期はこれらの導入により売上は伸びると予想している」と現状を説明した。
その他部門は、売上高が同26%減の142億円、営業損益は1億円量化して4億円のマイナスとなった。ホームAV、FA機器などの販売減、CATV関連事業の事業譲渡などの影響を受けたとしている。
足下の環境は厳しいが、今後はHEREとの提携による高精度地図や、自動運転・高度運転支援向けに必要とされる走行空間センサ「3D-LiDAR(ライダー)」の販売が控える。
小谷氏は「地図はハードと異なり、費用の回収がかなり早い。2018年から各社に提供していく計画。収益的には2018年度から貢献してくる。3D-LiDARに関しては、開発状況は順調。当初の計画通り9月からサンプル出荷を開始する。ただし手作りなところもあるので、一度に作ることができない。現在26社からサンプル要求が来ており、順次提供していく計画」と話した。
カーエレクトロニクス業界は経営統合など、業界の再編が進む。そのことについては小谷氏は「パイオニアは、自動運転時代に向けてなくてはならない技術、あるいはデバイスを保有している会社を目指し取り組んでいる。ただし1社でやることは難しく、水面下を含めていろいろなアライアンスを進めているところ。だが、事業統合については現在考えていない」とコメントした。
パイオニアでは、2018年3月期通期の業績予想を、前回発表の5月時点から、売上高は100億円減の3800億円と下方修正したが、営業利益100億円、当期純利益35億円は据え置いた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」