フードデリバリーサービス「UberEATS」が、2016年9月29日の提供開始から1周年を迎えた。Uber Japan執行役員社長の高橋正巳氏によって、1年間の実績が紹介された。
UberEATSは、スマートフォンアプリからフードデリバリーを依頼できるサービス。老舗蕎麦屋の「さらしなの里」やドーナツ専門店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」など、一般的な出前では頼めない、人気レストランの料理を注文できることが特徴だ。メニューの料金も、数百円から1万円以上と幅広い。
注文が入ると、提携レストランのタブレットにその内容が表示される。レストランが、店内の混雑時間などから調理完了までの時間を入力すると、料理が完成するタイミングで店舗に到着できるパートナー配達員(自転車、原付バイク)にリクエストが送られ、配達員は料理を受け取って注文者のもとへ届けるという流れだ。
配車サービス「Uber」と同様に、事前に登録したクレジットカードで自動的に支払いが終わるため、現金のやりとりは発生しない。ユーザーは料理を受け取った後、レストランや配達員を評価し、もしトラブルが発生した場合には、UberEATSのカスタマーサポートが電話やメールで対応する。
一般ユーザーでも審査やトレーニングを受ければ、従業員にならなくてもUberEATSの配達パートナーになることができ、貸与された専用の保温・保冷バッグを使って、自転車または原付バイクで配達する。自分のスケジュールに合わせてデリバリーできるため、配達パートナーは空き時間を有効に使って収入を得られる。
約1年前は世界7カ国33都市で展開していたUberEATSは、現在29カ国100都市以上にエリアを拡大しているという。また、世界で6万件以上のレストランがパートナーに登録されているとのこと。日本ではサービス開始から1年で展開エリアが約10倍に拡大しており、東京都の15区で利用できる。また、レストラン数も1000店舗以上に増えた。2017年内には横浜エリアに進出する予定。
1回あたりの注文での最高額は6万7600円。最も多く注文したユーザーの回数は1カ月で233回、1年間で915回だったという。季節ごとの人気料理カテゴリは、春が和食、夏と秋がハンバーガー、冬がサラダとのこと。最も料理を運んだ配達パートナーは1日に39回運び、1年間で6006回運んだという。
サービス開始から1年間で、さまざまな機能のアップデートもしてきた。たとえば、1週間前から1時間前まで時間を指定できる「事前予約」、機械学習によってお気に入りや人気のレストランを表示する「オススメ表示」、時間や価格、食事制限などより細かく条件を設定できるようにした「検索」など。このほか、受け取り場所の指定や、配達状況のリアルタイム確認の精度なども向上させたという。
配達パートナーの数も1年間で5000人を超えた。同社では、9月28日からパフォーマンスの高い配達パートナーを認定する「ゴールド・パートナー・プログラム」を開始。500回以上配達経験がある、ユーザーレビューで高い評価を維持しているといった条件をクリアしている配達パートナーが対象で、特典としてUberEATSを安価に利用できるプロモーションコードや、レストランからの優待を受けられるとしている。
高橋氏は、「1年間で5000名以上に配達パートナーとして登録してもらった。こんなにも多くの方がフレキシブルな働き方を求めている。日本におけるシェアリングエコノミー領域は、まだまだアーリーステージで発達の余地がある」とコメント。配車サービスのUberも含め、日本の課題やマーケットにあわせたサービス展開を進めたいと展望を語った。
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