Microsoft、Facebook、Telefonicaは、大西洋を横断する通信容量160テラbpsの新たな海底ケーブルを提供する取り組みにおいて、大きな節目に達した。
Telefonicaの子会社であるTelxiusは、MicrosoftとFacebookが支援する海底ケーブル「MAREA」の敷設を完了した。MAREAは、米バージニア州のバージニアビーチからスペイン北部のビルバオまで、大西洋を横断する全長6600kmのケーブルだ。
Microsoftはこの160テラbpsのケーブルについて、家庭のブロードバンドより1600万倍高速で、7100万本のHD動画を同時にストリーミングできるとアピールしている。ケーブルは、銅でコーティングされた8ファイバペアを収容している。
ケーブル開通後に運用を担当するTelxiusは、2016年8月に敷設を開始した。
スペイン語で「潮流」を意味するMAREAによって、FacebookとMicrosoftはデータサービスのさらなるグローバル化を進められるが、大多数のネットワークに対しさまざまな地点で陸揚げされることで、レジリエンス(回復力)も改善される。米国側では、ニューヨークとニュージャージーの周辺に陸揚げされる。
経路は、既存の大西洋横断ケーブルの南側を通る。よく知られているように、Microsoftはバージニア州に巨大なデータセンターを有しており、11億ドルを投じたと報じられている。FacebookとAmazonも同州にデータセンターを所有している。
MAREAは、テクノロジ大手各社が単に他の事業者から回線を借りるのではなく、独自の大容量海底ケーブルに投資している傾向を受けたものだ。
Wiredが指摘しているように、MAREAケーブルはMicrosoftとFacebookにとって、通信事業者のコンソーシアムに参加するよりも、自らの将来をよりコントロールできるという点で、注目に値する。実際、Microsoftは、「New Cross Pacific(NCP)Cable Network」の開通に向けてアジアの主要通信事業者とのコンソーシアムに参加している。
両社はさらに、他の通信事業者と通信容量を共有する必要もない。一方、Googleは60テラbpsで日本と米西海岸を結ぶ全長9000kmの「FASTER」ケーブルに出資しており、容量の一部を独占的に利用できるようになっている。
Microsoftによると、MAREAは10本を超す大西洋横断海底ケーブルの中で最大容量の通信を実現するという。MAREAはビルバオからほど近いソペラーナ(スペイン)にも接続しており、そこからパリ、フランクフルト、アムステルダム、ロンドンなど、欧州における他の主要ハブに接続するファイバネットワークとリンクする。
Microsoftはビルバオについて、アフリカ、中東、アジアのハブに向かう便利な経路になると指摘している。
Microsoftにとって、MAREAは「Microsoft Azure」「Office 365」「Skype」「Xbox Live」など、同社のさまざまなクラウドサービスを向上させるのに役立つ。Facebookは、このケーブルが「WhatsApp」「Messenger」「Facebook」「Instagram」を通じて同社が提供している、増加傾向の「データ集約型サービス」を支援すると述べた。
Microsoftによると、MAREAは2018年初頭に稼働する見込みだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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