アップルは9月22日に「iPhone 8」シリーズとともに「Apple Watch Series 3」を発売する。これに先駆けて先行レビューをお送りする。
2015年に発売されたApple Watchは、スマートフォンと連携するスマートウォッチとしても、また運動を計測するアクティビティトラッカーとしても、初めての製品ではなかった。
しかしApple Watchは現在、スマートウォッチ市場の牽引役となっており、2017年第2四半期には、販売台数が前年同期比で50%増を記録するなど、堅調に伸びている新しいカテゴリとなった。
2016年9月に発売したGPS内蔵の「Apple Watch Series 2」続いて、この9月に登場する第三世代のApple Watch Series 3。その魅力は、70%高速化されたデュアルコアプロセッサS3、気圧高度計の導入、そしてセルラーモデルの登場にある。今回は、Apple Watch Series 3 GPS+Cellular アルミニウム・スペースグレイをレビューする。
Apple Watchは、iPhoneアプリに内包されるWatchアプリをインストールし、小さな画面の中でのアプリ実行が可能だ。できることを絞って小さな画面のタッチと音声入力を駆使すると、iPhoneを手に取るまでもないが頻度が高い動作を手軽に使える。
Apple Watch Series 3では、前述の高速化されたデュアルコアプロセッサS3と、省電力性と高速通信を実現するAppleが設計したW2チップの搭載で、あらゆる動作が軽快になった。アプリの起動や切り替え、Siriや音声入力、通信を使ったデータの読み込みなど、これまでワンテンポ待たされてきた動作を、瞬時にこなせるようになった。
アプリの実行の遅さから、筆者はどちらかというと、iPhoneに届く通知の確認とそのリアクションという使い方で、手首にあるApple Watchに触れてきた。アプリの起動と実行が高速化されたことで、Apple Watch向けのアプリをインストールするメリットが明確になった。
また、watchOS 4によって実現する、Apple Watchを起点にした NFCやBluetoothを生かしたアイデアや、Core MLを用いた機械学習アプリなどの実行は、手首から新しいウェアラブルアプリの世界を切り開く可能性を提示することになるだろう。
Apple Watch Series 3には、新たに高度計が内蔵された。既にiPhoneを持ち歩いている人なら、その日何階分の階段を上ったのかまで分かる仕組みになっているが、これまでApple Watchのみでは計測できなかった情報だ。
筆者はウォーキングをするとき、坂道も取り入れている。これまで、Apple Watchだけの身軽な状態で出かける15分のルーティンでは、何メートルの標高を上ったのかは記録されなかった。
Apple Watch Series 3では、単体で高度の変化を記録できるようになった。そのため、前述のルーティンでも例えば50m上った、100m上った、という情報が、iPhoneなしでも記録できる。
たとえば、スキーやスノーボードなどの計測にも役立つ。高度計が付いたことで、リフトで登り、滑走して麓まで降りてくるまでの時間あたりの高度変化を記録できるようになる。
スノースポーツを楽しむWatchアプリは、これからのウィンタースポーツシーズン、Apple Watchでの新しいトレンドを作り出す可能性がある。
加えて、心拍数アプリのリニューアルもあった。これまで現在の心拍数を表示する程度だった心拍数アプリは、1日の心拍数について、安静時、歩行時、ワークアウト時、その後の回復と、より詳細なデータをグラフで見られるようになった。
また安静時に120BPMを超える心拍数を記録すると手首に通知が届く仕組みも備えた。過度なストレスや身体の異常を早期に察知し対処する手助けをしてくれることになる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」