Uberを追うエストニア発配車サービス「Taxify」--ドライバーを主役に - (page 2)

ドライバーが主役のサービス

 個々のドライバーから徴収する手数料は15%(Uberは20〜25%)に設定されているほか、営業エリアに関してもある程度裁量が与えられているなど、Taxifyのサービスからはドライバーへの配慮が感じられる。

 そもそもドライバーを務める人の多くは、複数の配車サービスに登録していることがほとんどのため、ドライバーの満足度を高めることでサービスの質が上がり、結果的にそれが顧客満足度の向上につながるのだ。

 エストニア在住のユーザーに話を聞いたところ、「Taxifyはフェアな仕組み作りと、ユーザーの使い勝手の良さを両立している。どんなに高齢のドライバーも、スマホを使いこなして乗客を獲得しようと頑張っている」とのことだった。

新市場への進出

 先述の通りこれまでは新興市場に注力し、全体の売上の半分をアフリカ市場で生み出していると言われるTaxifyだが、中国大手の配車サービスでアジアで足場を固めつつ欧州への進出を狙うDidi Chuxingから8月に投資を受け、9月にはロンドンへの進出を果たした(Didiにとって欧州企業への出資はこれが初めて)。

 一方、同社にとって最大の競合となるUberは、ロンドンだけでもすでに4万人のドライバーと300万人のユーザーを抱えている。規模という点では明らかに不利な状況にあるTaxifyは、料金50%オフという攻撃的な戦略に打って出たが、その後ロンドン交通局からの調査を受けてサービスを一時停止した。

 当局によれば、Taxifyはロンドンでの営業許可なしに配車サービスを違法に提供しているとのことだ。しかし、もともとTaxifyはロンドンでライセンスを取得すべく申請手続きを行っていたにも関わらず、当局からの許可がなかなか下りなかったことを背景にCity Drive Servicesという現地企業の買収に踏み切った。

 そのため、Taxifyはあくまで配車サービスを提供するのに必要なシステムを開発しているだけで、実際に車とドライバーを派遣しているのはCity Drive Servicesだと同社は主張している。

 彼らは数日中にも営業を再開するつもりのようだが、ロンドン名物とも言えるブラックキャブが幅をきかせる同地で、規制対応に追われながらライバルUberとの戦いを繰り広げるTaxifyが、今後どのような動きを見せるのか注目だ。

(編集協力:岡徳之)

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