「Hyperloop」の新候補10ルート発表--米国、インド、英国、メキシコ、カナダ

 新しい高速交通システム「Hyperloop」の実現を目指す企業の1つであるHyperloop Oneは、運行させる路線の新たな候補10ルートを発表した。新候補は、米国内が4ルート、インド内が2ルート、英国内が2ルート、メキシコ内が1ルート、カナダ内が1ルート。総延長は6628kmにおよび、合計53都市を結ぶ。


新たに選ばれた10ルート(出典:Hyperloop One)

 Hyperloopは、カプセル状のポッドが空気の抜かれた低圧密閉チューブ内を移動する交通システム。ポッドは、リニアモーターカー同様、磁力で浮上して動く。空気抵抗が極めて小さく、浮上して摩擦も発生しないため、時速1000kmを超える飛行機並みの速度で移動可能だという。

 Hyperloop Oneは、Hyperloopの実現に向けて共同開発するパートナーを募るため、2016年5月より技術コンテスト「Hyperloop One Global Challenge」を開催している。これまで2600以上のチームから応募があり、2017年4月には米国内の候補11ルートを明らかにした。

 今回の10ルートは以下のとおり。

 【米国】

  • シカゴ~コロンバス~ピッツバーグ(785km)
  • ダラス~ヒューストン(1030km)
  • シャイアン~デンバー~プエブロ(580km)
  • マイアミ~オーランド(414km)

 【インド】

  • ベンガルール(バンガロール)~チェンナイ(334km)
  • ムンバイ~チェンナイ(1102km)

 【英国】

  • エディンバラ~ロンドン(666km)
  • グラスゴー~リバプール(545km)

 【メキシコ】

  • メキシコシティ~グアダラハラ(532km)

 【カナダ】

  • トロント~モントリオール(640km)

 今後Hyperloop Oneは、選定済みの米国内11ルートと合わせ、各候補の実現性などを詳細に検討していく。最終的には3チームを選び、Hyperloop Oneの技術部門および事業開発部門と共にプロジェクトの開発と資金調達を進めることになる。

 Hyperloop路線の建設は、Hyperloop Transportation Technologies(HTT)なども目指している。HTTは、インドのアンドラプラデシュ州政府とのあいだでHyperloop路線の建設に向けた計画を進める了解覚書(MoU)に署名した。


インドでHyperloop路線の建築計画がスタート(出典:HTT)

 なお、Hyperloopを考案したElon Musk氏は「自ら商用のHyperloopを開発することはない」と明言し、新興企業各社にHyperloopのアイデアを解放した。しかし、米CNETの報道によると、同氏はそれら新興企業の進捗に不満を抱き、ニューヨークとワシントンD.C.を結ぶHyperloop路線を建設する計画だという。

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