Elon Musk氏は何年もの間、「Hyperloop」を自ら建設する意向を否定していた。
代わりにMusk氏は、新興企業各社(つい先ごろ、チューブ内を時速約310kmで疾走するカプセルを実際に披露したHyperloop Oneなど)にこのアイデアを開放し、競争に加わる意思はないとして各社を安心させていた。Musk氏のHyperloopコンペティションサイトには以前、訪問者を迎えるメッセージとして「われわれが自ら商用のHyperloopを開発することはない」と記載されていた。
だがこのほど、ある情報筋が米CNETに語ったところによると、Musk氏は見解を変えたという。それらの新興企業の進捗に不満を抱く同氏は、ニューヨークとワシントンD.C.を結ぶHyperloop全体を自ら建設する計画だという。
Musk氏は7月、自らの所有するトンネル掘削企業The Boring Companyが、ニューヨークとワシントンD.C.を結ぶHyperloop路線を建設するにあたって米政府から「口頭での承認」を取りつけたとツイートしたが、Bloombergによると、新興企業の幹部らはこれに衝撃を受けたという。幹部らは、Musk氏が単にトンネルを掘るだけで、残りのインフラ提供は新興企業に任せるつもりであることを願っていたが、BloombergはMusk氏に近い独自の情報筋の話として、同氏がすべてを建設する計画だと伝えた。
米CNETは、Bloombergによる報道を裏付けることができる。The Boring Companyも否定しておらず、辻褄が合う。以下に挙げたのは、米CNETが同社から受け取った声明だ。
Elon(Musk氏)は2013年8月にHyperloopの論文をオープンソース設計として公開し、誰かが速やかに商用化してくれることを願っていた。彼は当時、数年経って他社が迅速に動いていなかった場合にのみ、自らがHyperloopの商用化を目指すと述べていた。われわれは、他社が一定の進歩を遂げていることに勇気づけられているが、この技術の開発をできる限り大きく加速させたいと考えている。われわれは、Hyperloopの建設を目指すすべての企業を励まし支援しており、各社が誠実である限り、Hyperloopの名前を使わせないようにする意図はない。
The Boring Companyは、新たな高速輸送システムを通す低価格で高速掘削可能なトンネルを建設する計画だ。その大部分は、時速約200km超で滑走する電動スケートを備えた標準圧力トンネルになる。ニューヨークからワシントンD.C.など直線の長距離路線では、最大時速約965km超を実現するため、減圧トンネルで加圧ポッドを利用すること(いわゆるHyperloop)が理にかなうだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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