Appleは「Next Big Thing」として自動車業界に変革を起こそうと取り組みを進めていると報じられていた。しかし、その高尚な野望は、Appleの施設間で従業員を移送するための自動運転シャトルサービスという、より平凡な目標に変わってしまったという。
The New York Times(NYT)は、「Titan」という開発コード名で進められているAppleの自動車プロジェクトに詳しい5人の情報筋の話として、Appleが現在「PAIL」というシステムに取り組んでいると報じている。PAILはPalo Alto to Infinite Loopの略で、シリコンバレーにあるAppleのオフィス間で従業員の移動に使われる予定だという。
記事には、計画がスケールダウンした理由について、次のように記されている。
しかし、事情に詳しい5人の情報筋によると、自動車プロジェクトはその規模と、自動車に何を望むかというAppleのビジョンが明確に定められていなかったことから問題にぶつかったという。チームメンバーは、優先順位の変更や、勝手な現実的ではない期限に不満を抱いていた。
Appleが完全な自動運転車を開発するべきか、それとも長距離の自動運転が可能だが運転者が制御を取り戻すことのできる半自動運転車を開発するべきかについて、意見の対立があった。
5人の情報筋によると、当初「Titan」を担当していた元Apple幹部Steve Zadesky氏は半自律自動車の開発を追求することを望んだが、チーフデザイナーのJonathan Ive氏らインダストリアルデザインチームは、完全な無人自動車に取り組みたい考えだったという。自動車体験の概念を刷新できると考えたためだ。
また、Bob Mansfield氏はTitanプロジェクトの担当者に任命されたが、自動車開発の計画を見直したと報じられていた。ハードウェアスタッフの一部が解雇され、プロジェクトの焦点を自律走行させるために必要な自動運転技術に合わせたという。
このことは、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏が6月にBloombergとのインタビューで述べた内容とも一致している。同氏はこの時、Appleは「自律システム」に取り組んでいると述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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