Gartnerは、さまざまな新興技術に対する関心の高さや普及度合いなどをまとめたグラフ「Hype Cycle for Emerging Technologies, 2017」(新興技術ハイプサイクル2017年版)を公開した。今後10年間のデジタルビジネスをけん引する注目トレンドとして、Gartnerは「あらゆる場面での人工知能(AI)活用」「透過的で没入感のある体験」「デジタルプラットフォーム」の3つを挙げた。
ハイプサイクルは、何らかの技術が登場して期待が高まり、次第に普及していく過程を(1)黎明期、(2)過度な期待のピーク期、(3)幻滅期、(4)啓蒙活動期、(5)生産性の安定期という5つのフェーズに分類するもの。特定の技術が成熟するまでのどの段階にあるかを見極める助けになる。Gartnerは、企業経営者や投資家、マーケター、研究開発チームなどが技術を検討する際に考慮すべき情報だとしている。
ハイプサイクルのグラフには、各技術がどのフェーズにあるのかと、その技術が何年後に生産性の安定期に入るかの予測が掲載されている。
今回Gartnerが注目したトレンドの、あらゆる場面でのAI活用、透過的で没入感のある体験、デジタルプラットフォームは、無類の知能をもたらし、深く新しい体験を生み出し、新たなビジネスエコシステムとの接続を実現するプラットフォームを組織に提供するという。
各トレンドの概要は以下のとおり。
AI技術は、今後10年間でもっとも破壊的な影響を及ぼす技術になるという。こうした技術を使うことで、企業などはデータを活用し、新しい状況に対応して、かつてなかった問題を解決できるようになる。
関係する技術は、深層学習、深層強化学習、汎用人工知能、自動運転車、コグニティブ(認知)コンピューティング、商用無人飛行機(ドローン)、会話型ユーザーインターフェイス、企業向けタクソノミー&オントロジー管理、機械学習、スマートダスト、スマートロボット、スマートワークスペース。
技術はますます人間中心へと進歩し、人間、ビジネス、モノのあいだが透過的になっていく。そして、それらの関係は複雑に絡み合う。
関連する技術は、4Dプリンティング、拡張現実(AR)、ブレインコンピュータインターフェイス(BCI)、コネクテッドホーム、人間拡張、ナノチューブエレクトロニクス、仮想現実(VR)、立体ディスプレイ。
新興技術は、プラットフォームの定義および使用法に対する考え方を一変させる。範囲の限られた技術的なインフラからエコシステム対応プラットフォームへ移行することが、人間と技術のあいだをつなぐ、まったく新しいビジネスモデルの基盤になるそうだ。
関連する技術は、5G、デジタルツイン、エッジコンピューティング、ブロックチェーン、モノのインターネット(IoT)プラットフォーム、ニューロモーフィックハードウェア、量子コンピューティング、サーバーレスのプラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)、ソフトウェア定義セキュリティ。
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