サムスンは米国時間8月9日、独自ブラウザ「Samsung Internet」の新たなベータ版を発表した。サムスン製スマートフォンや、Googleの「Nexus」および品薄状態が続く「Pixel」だけでなく、比較的新しいバージョンの「Android」を搭載したスマートフォンであればどのモデルでも利用できる。Samsung Internetはまだテスト版だが、サムスンでは「Google Play」ストアを通じて全世界に徐々にリリースしていく計画だ。
GoogleのAndroidで動作するスマートフォンのほとんどは、Googleの「Chrome」ブラウザを使用している。しかし、サムスンによるブラウザのリリースは、同社がハードウェアだけでなく、ソフトウェアの分野でも有力企業になりたいという野心を失っていないことを示す動きだ。同社はこれまでも独自のAndroidアプリや、Androidの競合OSである「Tizen」を開発するなど、ソフトウェア分野にも進出を試みているが、大成功を収めるには至っていない。
このサムスンのブラウザを使うには、「Android 5.0 Lollipop」以降を搭載する端末が必要となる。また、Google、Apple、Mozilla、Opera Software、Microsoftなどが手がける他のモダンブラウザと同じく、ブックマークや開いているタブを同期できる。ただし、PCで使っているブラウザと同期する場合は、サムスンのChrome向け拡張機能をインストールする必要がある。
今回の新バージョンにはハイコントラスト表示モードも搭載されており、視力に障害がある人が利用しやすいようになっている。また、「Brave」や「Opera」といった競合ブラウザと同じように、メニュー内に複数の広告ブロック機能が用意されている。これは、オンライン広告技術に対する大きな反発が存在していることを業界に対して警告する、新たな事例と言える。
さらに、デフォルトでは無効にされているが、「WebVR」もサポートされている。WebVRは、ブラウザで仮想現実(VR)を利用できるようにする技術だ。この機能を有効にすると、サムスンのヘッドセット「GearVR」でWebVRが利用可能になる。WebVRは、Android版のChromeでは以前からサポートされているほか、米国時間8月8日にはMozillaがコンピュータ向けの「Firefox」にWebVR対応機能を追加したばかりだ。
サムスンは自社ブラウザの開発にあたり、Chromeのベースになっているオープンソースプロジェクトの「Chromium」を利用している。だが、Googleの取り組みを単にそっくり真似ただけではないと同社は強調している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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