Mozillaは米国時間8月8日、ウェブ向けの仮想現実(VR)技術を搭載したバージョンの「Firefox」ブラウザをリリースする計画だ。
Vladimir Vukicevic氏ら当時のMozillaの開発者は2014年、「WebVR」と呼ばれる構想を取りまとめた。そのコンセプトは、ウェブブラウザで仮想領域を動き回ることを可能にし、あらゆるデバイス上で機能させることで、人々が容易にVR世界を作り出せるようにしようというものだ。
しかしその後、Vukicevic氏はゲームエンジンメーカーのUnity Technologiesに移籍し、WebVRのサポートではGoogleの「Chrome」ブラウザがMozillaに先行した。Microsoftの「Edge」も4月、Firefoxに先んじてWebVRのサポートを追加した。MicrosoftとGoogleはいずれも、VRおよび拡張現実(AR)を体験できるデバイスを販売しており、VRを普及させる十分な動機がある。
「WebVRは、『Firefox 55』に搭載される主要なプラットフォーム機能だ」と、Firefoxの最新リリースカレンダーには記されている。「『HTC Vive』および『Oculus Rift』ヘッドセットを所有するFirefoxユーザーは、ウェブでVRコンテンツを体験し、素晴らしいデモを試すことが可能になる」
PCを使ってウェブでできることは数多く、また、スマートフォンには多くのアプリが揃っている。しかし、VRが普及するには、オンラインでも豊富な仮想体験が提供されなくてはならない。その点でWebVRは、ゲームや観光案内、教育コンテンツなど、興味深い仮想体験をユーザーに供給し続ける上で重要な技術だ。
しかし、現時点でWebVRの利用には制限がある。Chromeは「Android」版でしかWebVRをサポートしておらず、またEdgeでWebVRを利用するには、ブラウザを開発者モードにする必要がある。
WebVRは、Mozillaにとっても重要だ。近年、FirefoxがChromeの陰に隠れて以降、MozillaはFirefoxの存在感を取り戻し、評判を回復するべく奮闘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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