言い換えると、Flashファイルの変換や作成にFlashのソースコードは必要ないということだ。だから、もうFlashを安らかに眠らせてやってほしい。
さらに、Googleの「Google Chrome」、Microsoftの「Internet Explorer」と「Edge」、Mozillaの「Firefox」はすべてFlashを無効にしようとしている。われわれも彼らにならって、Flashにきっぱりと別れを告げるべきだ。
筆者が終わらせるべきだと言っているのは、Flash Playerのことである。Flash Playerは、Flashの動画やゲームコンテンツを再生するためのソフトウェアだ。アニメーションをデザインするプログラムの「Adobe Animate CC」(旧名は「Flash Professional」)は今後も存続する。今でもAdobe Animateを使ってFlashゲームや動画を作成することは可能だが(実際には勧めない)、Adobe Animateでは、はるかに安全性の高いHTML5動画形式がサポートされるようになっている。
確かに、Flashの利便性が有害性を上回っていた時代もあった。Flashを開発したJonathan Gay氏は、「Flashが使いにくいと考えているなら、undo(元に戻す)の概念が発明される前の『Apple II』で、ジョイスティックを使って、試しに絵を描いてみるべきだ」と述べていた。そして、Gay氏は1993年にFlashを開発した。
全盛期のFlashは大きな存在だった。2005年、Adobeは当時Flashの開発会社だったMacromediaを34億ドルもの金額で買収した。同年、YouTubeがサービスを開始し、動画にFlashを使うことを決定した。Flashは、人気の高いアニメーションおよびゲーミングプログラムから、インターネットのデフォルトの動画プレーヤーへと瞬く間に変身した。Flashは決してデフォルトの動画プレーヤーにふさわしい安全性を備えていなかったが、当時対応できたのがFlashであり、Flashは既にとてつもない人気を得ていた。
しかし、それは過去の話であり、今は今だ。今日、Flash動画を使用する理由はない。
2011年には、AdobeはFlashからHTML5動画形式への移行を開始していた。HTML5動画形式には、「Theora」動画コーデックと「Vorbis」オーディオコーデックを採用したOggファイル、「H.264」動画コーデックと「AAC」オーディオコーデックを採用したMPEG-4ファイル、「VP8」動画コーデックとVorbisオーディオコーデックを採用したGoogleのWebMファイルが含まれる。
それでは、それから6年たった今もFlashが話題になっているのは、なぜなのだろうか。それは、筆者がFlashをどんな形でも延命させたくないと考える理由と同じだ。新しくて安全な方法でコンピュータを実行することを強制しない限り、人々は古くて脆弱な方法やプログラムを使い続ける。
筆者は通常、ありとあらゆるものについて、オープンソース化することを支持している。だが、今回は別だ。Flashにセキュリティホールが無数に存在することは、既に証明されている。今こそ、Flashにきっぱりと別れを告げるべきときなのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
働くあなたの心身コンディションを見守る
最新スマートウオッチが整える日常へ
イノベーションの「種」から社会実装へ--
社会課題の解決に挑む各社の挑戦
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力