“仲間”とともにあるステージ--「アイマス シンデレラガールズ」5thライブ幕張公演

 CNET Japanの編集記者が気になるトピックなどを、独自の視点で紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。今回はエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。7月8日と9日の2日間、千葉県の幕張メッセ内幕張イベントホールにて行われたイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!!」幕張公演の模様をお届けする。

  • オープニングシーン

 これはソーシャルゲームを基点として多方面に展開している「アイドルマスター シンデレラガールズ」のキャスト陣によるライブイベント。5月から8月にかけて全国7都市14公演を行う大規模なライブツアーとなっており、幕張公演は5会場目となる。

  • 幕張公演は夏の日差しが強いなかでも、屋外に設置されたCygamesの"フラワースタンド”の映像に、多くの人が見入っていた

 静岡公演で出演したのは渋谷凛役の福原綾香さん、本田未央役の原紗友里さん、双葉杏役の五十嵐裕美さん、佐々木千枝役の今井麻夏さん、藤本里奈役の金子真由美さん、橘ありす役の佐藤亜美菜さん、小早川紗枝役の立花理香さん、三船美優役の原田彩楓さん、水本ゆかり役の藤田茜さん、安部菜々役の三宅麻理恵さん、姫川友紀役の杜野まこさん、大槻唯役の山下七海さん、城ヶ崎美嘉役の佳村はるかさん、塩見周子役のルゥティンさん、片桐早苗役の和氣あず未さんの15人。会場はもとより、全国各地の映画館で中継されたライブビューイングに集まったファンである“プロデューサーさん”に向けて、両日それぞれアンコールを含めて24曲、トークを交えつつおよそ3時間に及ぶライブを行った。

  • 出演するアイドルのパネルと、演じるキャスト陣の色紙も展示。三宅さんの色紙に書かれたメッセージが話題に

 お城をイメージしたセット、そして中央の大型モニターが扉を映し出し、そこからイベントテーマの“奇跡の大行進”にちなんで、キャスト陣がイベントロゴをあしらった大きな旗を持って行進するように登場するという、これまでのライブツアーでも見られたオープニングの光景が展開。そしてテレビアニメ版の主題歌「Shine!!」を歌いだすと、会場中が色とりどりのペンライトによる光で染まり、キャスト陣の歌声とプロデューサーさんの声援が会場中を包み込んだ。

 このあともソロ曲やユニット曲、15人での全体曲を次々と披露。シンデレラガールズの特徴であり魅力にもなっているところは、頭に“超”が付くほどの個性的なアイドルたちと、その個性を際立たせるような楽曲の数々。ライブのステージ演出でも趣向が凝らされものが多かった。“自称ウサミン星から来た17歳のアイドル”の菜々を演じる三宅さんのソロ曲「メルヘン∞メタモルフォーゼ!」は、菜々がメイドアイドル戦士(ヒロイン)のウサミンとなって悪の敵を倒すという内容。

 大型モニターには敵が映し出され、キックやパンチの振りにあわせてダメージを受ける演出が入ったり、ピンチのときには、親衛隊とおぼしきファンが映し出され会場と一緒に声援を送るなど、楽しさと一体感あふれるステージとなっていた。後のトークの中で三宅さんは、ツアー最初の宮城公演でもこの曲を披露しているが、幕張公演では映像に一部追加されたものがあることを明かすなど、ツアー中でもよりよいステージにするべくスタッフ含めて取り組んでいることを語った。

  • 「in fact」

 一方で幕張公演の中盤では“聴かせる”曲を集めたブロックも。まずは羽衣を思わせるような薄手の布をまとって登場した立花さんが、和のイメージを持つソロ曲「薄紅」をしっとりと歌い上げた。そして佐藤さんはソロ曲「in fact」を披露。椅子に座った状態で佐藤さんのみに向けられた光のなかでバラード曲を表現力豊かに歌う姿に、場内は静かに聴き入っていた。続いてステージに残った佐藤さんに加え、五十嵐さんとルゥさんの3人による、前に向かっていく気持ち描いた「この空の下で」を披露し、大きな拍手に包まれていた。

  • 「命燃やして恋せよ乙女」

 バラード系の曲が続いたところで、福原さんが“クールさ”を残しつつ疾走感あふれるソロ曲「AnemoneStar」を力強い歌声で歌い上げ、往年の昭和歌謡を彷彿とさせる「命燃やして恋せよ乙女」を、ユニット「宵乙女」から原田さん、三宅さん、和氣さんの3人で披露。このように、歌唱力を存分に生かしてキャラクターや楽曲の世界観を表現し、聴かせるステージを展開するのも、シンデレラガールズのライブにおける魅力となっている。

  • 「Snow Wings」

 首都圏での開催ながらも、千葉県出身の原田さんに向けておすすめの場所が質問されていたほか、同じく千葉県出身の金子さんがマスコットキャラクターである「チーバくん」について説明するなど、ご当地にちなんだトークが展開。さらに、本当はウサミン星から来ているはずの菜々について、場外に掲出されていた三宅さんのサイン色紙に「ただいま」と書かれていたことにツッコミが入ったり、三宅さんも「この場所が落ち着く」といったことを語るなど、千葉に関係があるかもしれないという雰囲気も漂わせ、このやりとりでも盛り上がっていた。また演じる未央が千葉県出身という原さんも、トークではムードメーカー的に場内を盛り上げつつ、ソロ曲「ステップ!」を軽快に歌い上げるなど、要所要所で見せ場を作っていた。

  • 「Take me☆Take you」

 アイドルマスターの大型ライブに初出演だったのは原田さんと藤田さん。原田さんは数々のユニット曲に加わり歌声を響かせていたほか、終盤では原さんと三宅さんとともに「Take me☆Take you」を披露。美優に声がついたきっかけにもなった曲でもあることから、中央に立った原田さんは強く思いを込めて歌い上げているように見受けられた。1日目の七夕にちなんだトークコーナーのなかで、この2日間キャラクター一緒にいられるようにと願ったことを明かした藤田さんは、あいさつで緊張している様子も見受けられたが、他のキャスト陣から合間などにとにかく練習をしていたことが語られるなど、このステージにかける意気込みを伺わせる一幕も。そして、金子さんと立花さんとともに披露した「あいくるしい」では、感情を込めて歌い上げるシーンが印象的で、存在感を醸し出していた。

 2人は2日目において、アイドルたちのエチュードを行うコーナーで指名を受け、原田さんは杜野さんと組み九十九里浜でスイカ割りをする美優と友紀を演じたほか、藤田さんは原さんと五十嵐さんと組み、幕張メッセのライブに出たくないという杏を説得するゆかりと未央を演じるなど、お互い盛り上げに一役買っていた。

  • 「Radio Happy」

 ほかにも、ライブツアーでは幕張公演のみの出演という山下さんが、冒頭のShine!!のあとに先陣を切ってソロ曲「Radio Happy」で、クラップやコールが巻き起こるような場内が一体となるステージを披露し、曲が終わったあとには場内でざわつきか聞こえるほど。和氣さんのソロ曲においては、モニターにはミラーボールが映し出されるようなハイテンポな「Can't Stop!!」で、立花さんとともにダンサーとして羽扇子を持ってパフォーマンスした。福原さん、藤田さん、杜野さん、ルゥさん、和氣さんの5人で披露したウエディングソング「With Love」では、そろって白いウェディングベールを頭に身につけて登場し、モニターにも結婚式場を映し出す演出で、ふと見せる笑顔に心や動かされるような、そしてどこか晴れ姿を見守るような気分になるようなシーンも。見どころはすべてと言えるようなアイドルの魅力を存分に発揮し、アップテンポからバラードまでさまざまな楽曲の世界観を表現するステージが終始展開されていた。

  • 「With Love」

 今回のステージでまとめ役としてセンターに立ったのは佳村さん。シンデレラガールズのアイドルにボイスが付くようになった初期段階からさまざまなイベントのステージに立ち、関連ネットラジオのメインパーソナリティを務めていたこともあるなど、長く作品を牽引し続けていた。そんな佳村さんはソロ曲「NUDIE★」を熱唱。演じる“カリスマギャル”の美嘉が持つセクシーさとかっこよさ、そして佳村さんから感じられる歌うことの楽しさを表現したステージに、プロデューサーさんたちは魅了されていた。

  • 「EVERMORE」

 佳村さんはあいさつのなかで、出演していないキャストからの励ましを受けて仲間が後ろにいると感じられたことや、今回出演しているキャスト陣のやりとりを通じてすてきな仲間に出会えたことを語ったほか、そしてキャスト陣だけではなくスタッフ、そしてプロデューサーさんも含めて、「アイドルマスターを作っているのはみんな」として感謝の言葉を贈り、大きな拍手に包まれていた。

 最後に余談となるが、筆者が気になっているアイドルが佐々木千枝ということから、個人的に印象的だったのは今井さんのダンスパフォーマンスだ。キャスト陣のなかではでは小柄ながらも、“キレッキレ”と表現できるようなダンスを披露。ダンサブルなユニット曲で歌声を披露しつつ、立花さん、杜野さん、佳村さん、ルゥさんとの5人で披露した「Tulip」では、セクシーさを前面に押し出した曲だけに目を引いていた。

  • 「Tulip」

 今井さんのダンスパフォーマンスの高さはキャスト陣にとっても周知のようで、トークでもダンスの話題となると今井さんに話を振る場面もあった。キャスト陣の要望で1日目にはNUDIE★の振りの一部を披露したのをはじめ、2日目には前述したエチュードのコーナーの出だしに、楽曲「エチュードは1曲だけ」にちなんだセクシーなポーズをとったり、Tulipの振りの一部を再度披露するなどをして場内は盛り上がった一方で、終わったあとには決まって素直に恥ずかしがるところも見受けられた。

 千枝は11歳のアイドルで、特に“オトナ”に憧れている少女。少し気弱で人見知りな一面もあるがただおとなしいだけではなく、ソーシャルゲーム版の「Sレア[憧れモード]佐々木千枝+」などに代表されるような、ちょっぴり背伸びをして小悪魔っぽいそぶりをしようとする一面もある。こういったことをふまえると、今井さんの立ち振る舞いから感じる千枝らしさもさることながら、ステージ上では千枝があこがれているオトナのアイドルの理想像を体現しているように思えた次第だ。

 今後の展開についても発表があった。まずローソンなどの一部コンビニエンスストアとコラボした飲料キャンペーンも決定。詳細は後日公開するという。

 ソーシャルゲーム版のゲーム内で展開しているコミック「シンデレラガールズ劇場」をテーマとしたテレビアニメ第2期が、10月から放送開始予定であることも発表し、PVも公開された。

 そしてPlayStation VR用ソフト「アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション」(シンデレラガールズVR)の追加ダウンロードコンテンツ(DLC)楽曲第6弾として「Trancing Pulse」が7月13日に配信。渋谷凛に加え、新アイドルとして北条加蓮と神谷奈緒が登場。Triad Primusの3人によるステージが楽しめる。また、ライブでの発表はここまでとなっていたが、新たなDLC楽曲2曲を追加制作することも決定。2017年内の配信を予定しているという。

  • 飲料キャンペーン(アイドルのシルエット)

  • 「シンデレラガールズ劇場」第2期

  • 「アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション」Triad Primusの「Trancing Pulse」

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
(C)BNEI/しんげき

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