Googleからスピンアウトして自動運転車に取り組むWaymoは、増加する同社の自動運転車の管理をレンタカー大手Avis Budget Groupに委託する。
両社は米国時間6月26日、複数年にわたる契約を締結したことを発表した。Waymoが保有する600台のChrysler製自動運転ミニバンをAvisが一部のレンタカー施設で保管し、保守するという。車両の保守サービスには、清掃、オイル交換、タイヤのローテーション、部品の注文と取り付けといった基本的な整備作業が含まれる。
Waymo初の自動運転車サービス「Early Rider Program」は、アリゾナ州フェニックスで公開トライアルが実施されている。その規模の拡大に伴い、Waymoの車両や必要となる追加サービスに合わせてAvisの拠点に手が加えられる予定だ。Bloombergによると、車両の所有権はWaymoが維持し、保守サービス料(金額は非公表)がAvisに支払われるという。
Waymoの最高経営責任者(CEO)を務めるJohn Krafcik氏は声明で、数千もの拠点を持つAvisによって、Waymoは「自社の技術をさらに多くの人々と場所に届ける」ことができるようになると述べた。
Avisは、「Avis(エイビス)」「Budget(バジェット)」ブランドのレンタカー事業と、カーシェアリングのZipcarを運営している。より広い目で捉えると、今回の契約によってAvisは、自動運転車という新しい分野に確実に参入する足掛かりを得て、車両管理をサービスとして提供する機会を手にすることになる。またWaymoとの提携によって、ますます多くの種類の自動運転車が市場に投入されつつあるこの時期に、Avisの保守技術員は実践的なトレーニングの機会が得られる。
Avisは、同社の事業と顧客サービスの改善のためにITとデータに多額の投資をしている。同社は、需要に応じて車両管理価格を調整するイールドマネジメントシステムを開発している。アルゴリズムを用いて自動的に価格を調整するものだ。また、新しいAvis.comプラットフォームと、支払いを処理するモバイルアプリも最近リリースした。
一方Waymoは、ライバルのTeslaやUberが競って公道に自動運転車を投入する中、同社の技術に興味があるかもしれない消費者に直接的にアピールする機会を得る。またこの提携は、同社による自動運転車を利用した大規模輸送サービスの提供開始にも役立つ可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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