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働き方改革の本質は労働時間の短縮ではない--三井不動産に聞くオフィスのあり方 - (page 4)

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“労働の多様性と企業の生産性は両立できる”ことを証明したい

--このプロジェクトのゴールは、導入する企業が社内における働き方改革の推進力を得ることだと理解しています。企業が変わらなければ働き方改革は実現できないわけですから。一方で、働き方改革を巡っては、労働の多様性をどこまで許容しつつ、企業の生産性を向上するか相反する価値がぶつかり合っているという課題もあります。多様性と生産性の両立というテーマについて、このWORKSTYLINGから見えてくるものはありますか。

川路氏:1つの拠点に人材を集約する硬直した仕組みよりも、多拠点を活用した柔軟な仕組みのほうが、生産性が上がる証明をしなければならないと感じています。

 今までの日本の企業は、1つのモノを作りながらその質を高める努力を続けてきました。しかし今の時代はアイデアや発想がビジネスの成否を大きく左右します。それは企画部門だけでなく営業や生産などあらゆる仕事に言えること。非連続なイノベーションを企業のあらゆるレイヤーで生み出していかなければ、人口減少が続く日本で新しいビジネスは生まれません。ビジネスパーソンはみんなが理解していることですが、このことに経営層もようやく気が付き始めた。だから異業種の人材採用を強化したり、育児のために会社を離れた人材を呼び戻したりしているのです。

 とはいえ、アイデアを生み出す環境を企業自身が整備することは、簡単なことではありません。例えば、オフィスから出ることの少ないビジネスパーソンは、なかなか仕事の中で出会いを生み出すことが難しいですよね。営業スタッフも、営業先の人にプレゼンすることはあっても、それを今後につながる関係構築の実現に繋げることは簡単ではありません。結果的に、ビジネスパーソンは業務外の時間でセミナーに出たり、ネットワーキングイベントに出たりするわけです。人脈作りやアイデア作りのためにわざわざ業務外の時間を使うなんて、本来であればおかしい話なのです。

 それをオンタイムでできるようにするために、WORKSTYLINGにはコーディネータという立場の人がいて、利用者同士の出会いや交流を手助けする取り組みをしています。ここからお互いがインスパイアされて新しいアイデアを生み出したり、ビジネスのヒントを生み出したりすることができれば、WORKSTYLINGという場所がものすごい付加価値を生み出す場所になるのではないでしょうか。組織も立場も目的も違う利用者が同じ場所でお互いに影響されあって新しいアイデアを生み出すパワーを生み出すこと、これこそが本当のオープンイノベーションだと思います。

三浦氏:例えば育児をしているお母さんは、均一化されたオフィスで均一化された時間に働くことはできませんが、中には子育てしながら数時間の業務でものすごい生産性を実現できる優秀な人がたくさんいる。多様性を生かすことで、社会全体の生産性は絶対に良い方向に変わると思います。この信念に基づいて、これからWORKSTYLINGの事業を拡大していきたいですね。WORKSTYLINGを通じて、日本の新しい働き方をデザインすることが、本当の意味でのゴールだと考えています。

--最後に、今後の事業展開について構想や目標を教えてください。

川路氏:WORKSTYLINGを企業社会に広く普及していくためには、まずは価値を理解してもらった上で、さまざまなリスクを勘案しながらWORKSTYLINGの採用に踏み切ってくださった人事総務担当の方に、導入の成果を出してもらう=利用者を的確にエンパワーメントしてビジネスを強力に推進してもらうためのサポートを十分にしなければならないと感じています。

 拠点展開については、三井不動産の総合力を最大限活かしながら(プロジェクト開始時の目標である)30拠点を早期に達成して、日本中に新しいワークスペースを創造していきたいと思います。都市部だけでなく郊外の主要都市にも積極的に展開し、育児と仕事の両立やオンとオフの効率的な切り替えを支援していきたいですね。郊外に作ってほしいという声は多く寄せられているので、拠点の拡大を推進しながら多くのビジネスパーソンのワークスタイル、ライフスタイルを変えていくことができればと考えています。

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