マイクロソフトは6月16日、iPhoneとiPad向けカメラアプリ「Microsoft Pix」において、AIを活用した新機能「Pix Styles」と「Pix Paintings」をリリースした。なお、同機能は、Microsoft Pix for iOSのメジャーアップデートの一部となる。
Pix Stylesは、アムステルダムやパリ、ニューヨークの有名ギャラリーに飾られた絵画や芸術的な写真を思い起こさせる効果を写真に自動で付加する機能。
Microsoft Research Asiaおよび、Skypeチームと連携して開発され、マイクロソフトの研究者が開発したインテリジェントなアルゴリズムを活用している。
さらに、写真を有名な絵画に触発されたスタイルに変換したり、画像が燃えているように見える特殊効果を追加したりできる。
同社によると、写真全体の色を変更するフィルタとは異なり、Pix Styleはテクスチャ、パターン、色合いを、選択したスタイルに変換して新たな作品を作り出すという。まずは11種類の芸術スタイルを提供し、今後新たなスタイルを追加する予定だ。
Pix Paintingsは、選択したスタイルで絵画を描くタイムラプス動画を作成し、ユーザーに名作が出来上がるまでの過程を見せてくれるというもの。
これらの機能を構築するために、Pixの開発チームは、ディープニューラルネットワークと呼ばれる人工知能の処理アプローチを使用し、多数の絵画のデータを使用して絵画の本質的スタイルを学習させたという。また、この情報をPix Stylesの写真変換とPix Paintingsの描画アニメーションに使用している。
Pix Stylesはデバイス上で直接稼働するため、計算のためにクラウドにアクセスする必要はない。これは、AIをクラウドからネットワークの「エッジ」上のデバイスに移行していくというマイクロソフトの全体戦略の一環。これにより、迅速かつ容易に写真を芸術作品に変換でき、通信も使用しないことから通信費と待ち時間を削減できるという。
同社によると、今回追加される機能は、SNSで共有するユニークな画像の作成にも最適だという。Microsoft Pixの開発チームは、PixのInstagram上で「#PixStyling」のハッシュタグを使って、斬新なスタイルの写真を紹介していく予定だという。
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