シリコンバレーの大手テック企業は、Donald Trump大統領による「パリ協定」離脱を阻止しようとしてきた。だが、そうした試みはうまくいかなかった。
Apple、Facebook、Googleから数回にわたって警告を受けたにもかかわらず、Trump大統領は、地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定からの離脱を決めた。
Trump大統領は米国時間6月1日、ホワイトハウスのローズガーデンで次のように発表した。「米国と国民を守るという厳粛な義務を果たすために、米国はパリ協定から離脱するが、パリ協定への再加入または米国にとって公平な条件の新協定に向けた交渉を開始する」
大手IT企業は、Trump大統領にパリ協定に残留するよう求めていたが、その中にはTrump大統領の仲間うちとも言えるシリコンバレーの大物がいる。Tesla Motorsの創設者Elon Musk氏は2月に、自身がTrump大統領の経済諮問委員会に残って影響力を及ぼす必要があると主張していた。
Musk氏は5月31日、大統領に「助言するためにできるだけのこと」をしたと述べ、米国がパリ協定から離脱したらトランプ政権の諮問委員を辞めると圧力をかけた。パリ協定離脱の速報が流れた後、Musk氏はこれを実行した。
Am departing presidential councils. Climate change is real. Leaving Paris is not good for America or the world.
— Elon Musk (@elonmusk) 2017年6月1日
Bloombergによると、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cookは30日、ホワイトハウスに自ら電話をかけ、パリ協定への残留をTrump大統領に促したという。
同日、Google、Facebook、Microsoft、HP、IntelのCEOも、声明でTrump大統領にパリ協定への残留を求めた。クリーン技術の革新は、気候変動による将来の壊滅的な影響から米国を守ると同時に、米国にさらなる雇用創出をもたらすというのがこれらの企業の主張だ。
Trump大統領は6月1日、パリ協定は米国経済にダメージを与え、雇用を減らし、納税者に負担をかけていると述べた。同氏は、パリ協定によって米国の雇用が痛手を受けている例として、石炭、製紙、セメント業界の成長鈍化を挙げた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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