Appleは米国時間6月5日、年次開発者会議「Worldwide Developers Conference」(WWDC)を開催する。同社はWWDCの壇上で、うわさされている「Amazon Echo」や「Google Home」の競合製品を披露するのだろうか。
Appleによるスマートスピーカの発表は、長らく期待されてきた。同社のスマートホームプラットフォームである「HomeKit」は、2014年のWWDCで発表された。初代Amazon Echoの発表が人々を驚かせる何カ月も前の出来事だ。それから3年が経過したが、われわれは、Appleが同社のモバイルソフトウェア「iOS」と結びつけられていない音声制御スピーカを発表するのを未だに待っている。
Amazon EchoやGoogle Homeなどの音声制御スピーカは、コネクテッドデバイスの統合を支援するという点で、既に大きな役割を果たしている。音声制御が、家族のほとんどのメンバーにとって、デバイス制御への簡単な入り口になるというだけではない。スタンドアロン型スピーカは、AppleのiOSベースのHomeKitがまだ成し遂げていないような形で、音声制御機能を家庭の中心に据えることに関しても役立っている。
Amazonの「Alexa」は、15分のキッチンタイマーをセットしてほしい、犬にフィラリア症の薬を投与することをリマインドしてほしい、といった要望に応えることができるほか、Alexaにサーモスタットの調節を頼むこともできる。Google Homeを使えば、レシピに沿って調理を進めたり、お気に入りのNetflixのコンテンツを再生(「Chromecast」を利用)したりできる。AppleのHomeKitも「iOS 10」の「Home」アプリと「Siri」を使って、それらと同じことの多くを実行できるが、入力はモバイル端末(「Apple Watch」を含む)に限定される(2016年の「macOS Sierra」アップデートにより、「Mac」でもSiriが利用可能になったが、iOS版に比べると、機能が大幅に制限されている)。AmazonやGoogleに対抗するスタンドアロン型スピーカを追加すれば、Appleのスマートホーム分野における競争力が強化されるかもしれない。
いずれにしても、発表が遅れていることにより、Appleの計画に関する憶測に火がついた。本記事では、2017年のWWDC開幕までの数カ月間にわれわれが耳にしたうわさをまとめて紹介する(注:米CNETはAppleにコメントを要請したが、すぐに回答を得ることはできなかった)。
2017年5月6日:Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントのPhilip Schiller氏は、AmazonやGoogleのスピーカには感銘を受けていないと見える。同氏はインドのGadgets 360とのインタビューで、「私は特にどちらのスピーカにも話しかけないだろう。(私は)話しかけたくないからだ。良いことが言えないのであれば何も言うな、と私の母親はよく言っていた」と述べた。
さらに、同氏はスクリーンで操作できることの重要性についても言及した。「音声アシスタントが非常に役に立つ瞬間もたくさんあるが、だからといって、スクリーンが不要なわけではない。したがって、スクリーンを搭載しないという考えは、多くの状況にそぐわないと思う」(Schiller氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果