Google傘下のDeepMindが開発した人工知能(AI)囲碁プログラムの「AlphaGo」は、中国烏鎮で開催された「The Future of Go Summit」で、「世界最強」とされる中国の囲碁棋士、柯潔氏に3戦連勝後、囲碁対局から引退することを表明した。
AlphaGoは今後、社会で最も複雑な問題の1つに挑む予定だという。DeepMindが米国時間5月27日のブログ記事で述べた。AlphaGoを開発するチームはこのAIプログラムを利用して、「高度で汎用的なアルゴリズム」を開発し、「疾病に対する新しい治療の発見、エネルギー消費量の大幅な削減、画期的な新材料の発明」などの問題に取り組む科学者の支援につなげたいとしている。
AlphaGoは2016年、トップ棋士の1人である李世ドル氏に勝利したことで話題を呼んだ。2017年に入ってからも、正体を隠してオンライン対局に参加し、世界トップレベルの棋士に勝利している。正体を隠していたが、AlphaGoは19才の最強棋士である柯潔氏に2度勝利したと報じられた。
対局からは引退するが、何も残さずに囲碁の世界を後にするわけではない。DeepMindは、このプログラムに関する最後の学術論文を2017年のうちに発表する予定で、囲碁の配置に関するAlphaGoの分析を示す学習ツールにも取り組んでいると述べた。さらに同社は、AlphaGo同士の対局に関する情報もリリースしている。AlphaGo同士の対局によって学習したAIには、囲碁対局者のための「斬新で興味深い多数のアイデアや戦略」が含まれているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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