「CanCam」7月号が発売日直後にAmazonなどのネット書店から消えたことをご存知だろうか。付録に以前も人気だった自撮りライトがついており、人気が爆発したためだ。今回は前回のハート型から星型となり、明るさが二段階に調整できるようになっていた。自撮りライトをスマホにつけて撮ると、目の中にその形の光が入って、肌が明るくきれいに撮れると評判だ。分厚いInstagram特集もついていたため、若者文化の実態を知って驚いた大人世代もいたのではないか。
実は、CanCam7月号の見どころはそれだけではなかった。「リアルにスマホでいい恋する方法!」として、マッチングアプリとSNSとで恋愛するコツについての特集が掲載されていたのだ。マッチングアプリとは、簡単に言えば出会い系アプリだ。
マッチングアプリの中では、「Tinder(ティンダー)」や「Pairs(ペアーズ)」などが人気が高い。そのほか本誌では、「Poiboy」「ゼクシィ恋結び」「with」「タップル誕生」「メグリー」「Omiai」などが話題のマッチングアプリとして紹介されている。出会い系アプリ特集がファッション誌に載っているのは、さすがに隔世の感があった人が多いだろう。
では、ネットでの異性との出会いを大学生たちはどう考えているのか。マッチングアプリやSNSにおける大学生の利用実態を見ていきたい。
Tinderの使い方は、自分の設定と位置情報に従って表示される異性の写真を気に入ったら右にスワイプし、気に入らなかったら左にスワイプする。またはハートかバツマークをタップする。1日1回しか使えない「スーパーライク」(星マーク)をするとマッチング率が高くなるようだ。
最初に表示されるのは顔写真、年齢、職業または出身校のみだが、画像をタップすると相手が自由に記述した自己紹介が表示される。相手も自分を気に入ったら、マッチング成立で相手とのメッセージができるようになる。Facebook登録ができるのでサクラもまずいないという評判だ。さらに、希望する相手の年齢の範囲や自分の居場所との距離なども設定できるので、希望しないプロフィールの人が出てきづらくなっている。
ある男子大学生からは「Tinderを使って女友だちができた」と聞いたが、実際、大学生の利用者は多いようだ。「マッチングしたらすぐにLINEを交換する。LINEでつながれば通話もできるので便利」。ちなみに、位置情報をオンにした状態で大学内でアプリを使うと、同じ大学の人が表示されるらしい。「知り合いが表示されたこともあるから大学の外で使うかな」。
別の女子大生は、「TinderはFacebookで登録できる点がいい」という。実はTinderでは、Facebookでの共通の友だちが見えるようになっている。Tinderは多くの場合、下の名前で登録していることが多い。つまり、共通の友だちが分かれば友だちのページから検索できてしまうのだ。「身元が特定できるので、どんな人なのかとかわかるしあまり怖くない」。Instagram連携している場合は、写真も豊富で相手の外見がつかみやすく、その点でも安心だという。
Pairsでも同様で、Facebook登録制でありながらFacebookの友だちは表示されず、同じ趣味の人を探すことができる機能もある。このように、マッチングアプリの実名制でいながら身元バレしづらい仕組みが受けているようだ。信頼性を担保しつつ周囲の人間関係に影響しづらいところが受けているというわけだ。なお、Pairsは男性は有料なので、その点はマッチングアプリの中での選択に影響を与えているだろう。
Tinderは、“暇な女子大生”(@bored_id)が使っていることでも知られている。暇な女子大生は、慶應大学4年生でエリート大学出身男性との情事を赤裸々にツイートしてTwitterで人気のアカウントだ。フォロワーは19万人以上に上り、雑誌やテレビなどにも取り上げられたことがあるので、存在を知っている人もいるだろう。
大学生同士でも暇な女子大生の身元特定は関心が高いようだ。定期的に「身元を特定した」という情報がTwitterなどで回ってくるという。暇な女子大生は有料サービスを使って身元バレしづらい使い方(自分が気に入った相手からしかプロフィールが見られないようにするなど)をしている。その一方で、動画や学年なども公開し始めており、非常に危険な状態だ。
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