「クラスLINE」をご存知だろうか。高校などのクラス単位でできるLINEグループのことだ。最近は、クラス発表と同時にクラスLINEが誕生し、そこから男子グループや女子グループ、少人数グループが生まれていくという。最新のクラスLINE事情とそこに潜む問題点について、高校生や元高校生に聞いて分かったことをお伝えしたい。
「中学ではなかったのに、高校に入ったらやっぱりクラスLINEがありました」と、4月に高1になったA子が教えてくれた。「みんな本名でやってないから誰だかわからなくて。まだ全員はわかっていないですね。正直抜けたいですけど抜けられない状態」。
新学期は、「クラスLINEに呼ばれない問題」が子どもたちの間ではとても大きいようだ。小学校高学年や中学校でもある場合があるが、全員がスマホを所持したりLINEを使ったりしているわけではないので、クラスのほぼ全員が入った状態でのクラスLINEは実質高校からとなる。
クラスLINEについての声を集めたところ、
「クラスの派手系女子が話してたからあるのは間違いないのに、陰キャ(陰気で地味なキャラクター)極めすぎてクラスLINEに招待されない」
「高2の時、LINEは高1からやってたし、高1の時同じクラスだった人や、部活同じ人がクラス同じになったのに、クラスLINEに招待されたの5月だった」
など、招待されない系の問題は多いようだ。
「なかなか招待されず招待されたのが36人目だった」
など、招待される順番が遅いことも彼らの心を傷つけるようだ。「クラスメイトとして認識されているのか、存在に気づいているのか心配になる」という。
「クラスLINE抜けたいまじで」という子は多い。一方、「クラスLINE(の招待を)断った」という人たちも少数ながら存在する。一人、「最後までクラスLINEに参加しなかった」という話も聞いた。「卒業式の時にクラスLINEに自分だけ入ってなかったことを分かってもらえた」そうだ。
クラスLINEは義務ではない。やりとりされる内容に興味が持てず、ストレスにしかならないのであれば、招待を断ってもいいだろう。ただし、必要な連絡ももらえない可能性があるので、親しい友人に「必要な情報があったら教えて」などと頼んでおくのがお勧めだ。
また、参加人数の多さから「クラスLINEは通知が多すぎる」「最新(通知)はいつもクラスLINE」と言っている子が多いので、通知は切っておき、余裕がある時にまとめて見て必要なものには返事を返すなど、利用をコントロールするよう子どもにアドバイスしてあげてほしい。
前述のA子の話にも出てきたが、LINEはリアルの人間関係ありきのサービスではあるものの、本名で登録している割合は高くない。「私も本名では登録していないけれど、みんなもそうだから誰だかわからない。クラスLINEから個チャになったけどやっぱり誰かわからなかったことがある」と、A子は言っていた。
女子はプリクラの自撮りをアイコンにしている割合が高めだが、男子は芸能人やアニメアイコンなど人によってばらばらだそうだ。「『(クラスLINEで)引かれるからアニメアイコンやめた』と男子が言っていた」とA子。LINEのトプ画(ホーム写真)やアイコンは周囲からの目を意識して変えるものらしい。
通常、親しい相手にしかLINEアカウントを教えたくないものだが、クラスLINEに参加すると、自分のLINEアカウントがクラスの友だち全員にわかってしまう。Twitterなどと違い、LINEは1つの端末につき1つしか作れないので、複数アカウントの使い分けもできない。そこで、クラスメイトからの友だち追加問題が出てくるのだという。
「見知らぬ人に勝手に友だち追加されるからクラスLINE嫌だ」
という意見と同時に、
「(自分のアカウントが分かっているはずなのに)誰にも友だち追加されない」
という寂しそうな意見もあり、やはり人によって感じ方は大きく異なるようだ。
中には、
「クラスは53人しかいないはずなのに55人参加してる」
など、クラスの人数とクラスLINEの参加人数が合わないケースが複数見られたのには驚いた。クラスLINEといえども、思った以上にお互いが把握できていないのが実態だ。なお、同時に2つのクラスLINEができてしまうこともあるが、「メンバーを合併すればいい」とあまり気にされていないようだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス