Facebook、コンテンツ監視基準の根拠を説明--「直感に反すると感じる」ものも

 Facebookは、ユーザーから投稿されるコンテンツを公開するか非公開にするかの判断基準について、同社グローバルポリシー管理担当ヘッドであるMonika Bickert氏の解説した文書を公開した。抜け道を探られないようにするため判断基準ポリシーの詳細には言及しなかったが、自傷行為のビデオを単純に削除しない根拠などを説明している。

 Bickert氏によると、Facebookは毎日10億人を超える人に利用され、数十種類もの異なる言語で写真やライブビデオなどさまざまなコンテンツが投稿される。そうしたコンテンツのうち、調査目的でFacebookに報告されるものはごく僅かだが、その内容はいじめ行為からヘイトスピーチ、テロリズムまで多岐にわたり、しかも複雑らしい。

 このような投稿を公開するか、非公開にすべきか判断することは、極めて困難だという。例えば、英国では寛容に受け入れられる王室批判だが、国によっては法律で罪に問われることがある。また、非難されるかどうかの判断は、法律で決められるものでない点も難しい。Bickert氏は、アートとポルノの線引きは簡単でないし、テロ攻撃のビデオがテロ批判の高まりにつながることもあれば、新たなテロへとつながることもある、とした。

 また、Facebookのコンテンツ監視マニュアル流出を報じたThe Guardianの記事を受け、同社の判断ポリシーには、自傷行為のライブビデオを公開し続ける「直感に反すると感じる」(Bickert氏)ものも存在する、としている。

 自傷行為のビデオを公開することで得られるメリットとして、Bickert氏はジョージア州のある少女が2週間前に「Facebook Live」で配信した実例を紹介した。このときは、少女の友人が警察に通報したことで、警官が駆けつけて命を失わせずに済んだ。

 Facebookが10年近く前に初めて作成したコンテンツ標準は、監視業務を担当する従業員の個人裁量に任されている部分が多かったという。しかし、判断基準は担当者ごとに違うことから、現在は明確な基準を定義をするようになってきた。その対象は、子どもの安全を守ることから、テロ行為、人権まで幅広い。

 Bickert氏は、Facebookがこの問題を極めて真剣に受け止め、絶えず専門家と各地の組織と協議しつつ基準を見直し続けている、とした。それでも体制は十分でないため、監視担当者を3000人増やすなどの対策も実施する予定だそうだ。

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