マイクロソフトがアップルとアドビを脅かす11の理由 - (page 2)

Lori Grunin  (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年05月29日 07時30分

プロフェッショナル向け仕様はAppleにとって過去のもの

 Appleは何年も前にクリエイティブ系のプロフェッショナルを見放した。代わりにこの数年間は、どのノートブック製品でも、性能や利便性の向上より薄型化に力を入れているように見える。「iPad Pro」がノートブックの代わりになるのだと、自らに言い聞かせようとしているかのようだ。

 対照的に、Microsoftは「Surface Pro」に代表される革新的なデバイスを生み出し、新たなハードウェアデザインを短期間で軌道に乗せた。OSベースのタッチ機能とデジタルインク機能でハードウェアをサポートし、新しい強力なシステムの開発を促すとともに、HPのような古くからのワークステーションメーカーを支えている。

 一方、「Mac Pro」の愛好者は、新モデルが一向に出ないことや、2013年モデル(筆者も実際に使ったことがある)の実用性に欠けるデザインを嘆いてるが、Appleは2017年に入ってからデスクトップシステムのマイナーアップデートを発表し、今後のさらなるアップデートを約束しただけだった。プロは約束を当てにして食べていくことはできない。

Appleはスタイラスだけ

 「Apple Pencil」は天才画家の筆に匹敵するという意見があるとしても、あらゆる場面で使えることの方が重要だろう。何と言っても、Microsoftは秋のアップデートで、スタイラスによるソフトウェア操作を合理化している。確かに、Microsoftの「Surface Dial」は驚異的と言うほどの入力アクセサリではないが、Appleの「Touch Bar」はあまり活用される見込みがなく、一方のMicrosoft陣営には、この分野を受け持って革新を起こそうというパートナーが無数にいる。また、Appleはインク機能をサポートしていないため、手書き認識エンジンもなく、スキルセットに穴がある。

Appleは独り言ばかり

 Appleのツールで重視されているのは、結局のところ、Appleデバイスとの連携だ。Microsoftは初期のスマートフォン事業で失敗したため、「iOS」と「Android」の両方を開発の対象にせざるをえなかったが、そのおかげで「Cloud-powered Clipboard」のような機能を開発できた。これは理論上、Windowsからどんなデバイスにも、またどんなデバイスからWindowsにも貼り付けが可能になるという機能だ。

Microsoftは「ストーリー」を語る

 Appleが複合現実に取り組んでいないことを考えると、これは驚くには当たらない。MicrosoftのFall Creators Updateでは、「Microsoft Story Remix」というアプリケーションが登場する。名前はいささか月並みだが、次世代の複合現実アプリケーションを開発するのに利用できる、システムレベルのあらゆる新機能を特長としている。これはデスクトップだけではなく、Windows 10搭載の2-in-1タブレットでも動作する。Story Remixで「リミックス」されるのは、ほとんどが他の製品に既存の機能だ。しかし、さらに3Dオブジェクトを動く対象物に固定して一体化することができる(インクの固定も可能)。また、作品の中で強調したいさまざまな対象物をユーザーが選択し、それに基づいて自動的かつインテリジェントに修正することができる。友人が「iPhone」やAndroidデバイスで撮影した動画や写真を取り込むことも可能だ。

 この自動処理の大半には、写真や動画の分析など、Microsoft Graphで蓄積されたユーザー情報が利用され、テーマやクリップ、写真がインテリジェントに選択される。標準的フォーマットの3Dファイルをインポートしたり、「Paint 3D」で作成したシーンを取り込んだりすることもできる。1つのアプリケーションとして見ても魅力的だが、他のアプリケーションで何ができるようになるかという指標と考えると、さらに魅力が増す。筆者は、この一部がMicrosoftのゲーミング環境に採用されるかどうかが、どうしても気になる。3Dを「簡単に」しようとして失敗した企業は、これまで数えきれないほど見てきた。欠けていた要素は、OSのサポートだ。

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