自動運転車の試験を公道で実施することはまったくもって正しいが、学習のために特定の状況を繰り返し作りたいのなら、そうした作業に特化した場所で試験した方がよい。
BusinessKoreaの記事によると、韓国政府は2017年中に「K-City」を開設する方向だという。面積が88エーカー(約36万平方メートル)あるK-Cityは、自動運転車の開発という明確な目的のために作られる「都市」である。K-Cityには、自動運転車が運転技術を学ぶのに必要な、バス専用車線、高速道路、駐車場などが設けられる。
K-Cityでは、公道試験でしばしば不可能な、繰り返しが可能になる。ソウルで試験する場合、すべての車に対して一旦止まってから元の位置へ戻り、同じルートを走ってきてもらう、などと頼むことなどできない。韓国政府は、K-Cityというコントロールしやすい環境を用意することで、自動車メーカーやサプライヤーによる自動運転車の開発を支援できるとしている。
韓国では現在、Hyundai(現代自動車)とKia Motors(起亜自動車)が自動運転車ソリューションの開発に取り組んでいる。さらに、SK Telecom(SKテレコム)やSamsung Electronics(サムスン電子)など多くの技術企業も参入している。韓国政府は、こうした企業がすべてK-Cityを利用し、恩恵を受けられるようになれば、ともくろむ。
K-Cityには、別のメリットもあると認識されている。BusinessKoreaによると、走行試験で集められた補足的なデータは専門家にメリットをもたらす可能性があるという。例えば、すべての試験から取得されたデータは、都市計画や保険の検討に役立つだろう。
K-Cityは、まず10月に高速道路だけをオープンする予定。そして、2018年に施設を完成させ、同年の下半期に全面利用できるようにする。
この韓国の自動運転車向け試験施設は、米国ミシガン州にある「Mcity」と同様のものだ。Mcityはミシガン大学にある研究施設で、K-Cityとほぼ同じ機能を持つ。つまり、自動車メーカーなどの企業に対し、開発および試験用の制御可能な環境を提供する。ただし、K-Cityは面積が88エーカー(約36万平方メートル)あり、Mcityの32エーカー(約13万平方メートル)よりはるかに広い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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