Microsoftは、米政府機関がソフトウェア脆弱性をひそかに蓄積して情報を開示しないことを批判し、先週末に発生した大規模なランサムウェア攻撃は「警鐘」であるとした。
脆弱性をベンダーから隠し続ければ、ユーザーはランサムウェア「WannaCry」のような攻撃に対して無防備な状態に置かれてしまう、とMicrosoftの最高法務責任者を務めるBrad Smith氏は米国時間5月14日のブログ投稿で述べた。WannaCryによる攻撃では、マルウェアがコンピュータをロックダウンし、高額の身代金を要求した。Smith氏は、米国家安全保障局(NSA)のハックツールが盗まれたことを、米軍から武器が盗まれたことになぞらえた。
「これを通常兵器のシナリオに置き換えれば、米軍の『Tomahawk』ミサイルの一部が盗まれたのと同じことである。この直近の攻撃は、現在の世界における最も深刻なサイバーセキュリティ脅威の2つの形態、つまり国民国家による活動と犯罪組織による活動のつながりを表すものだ。このつながりは、全く意図されたものではないが、不安を抱かずにはいられない」(同氏)
「世界各国の政府はこの攻撃を警鐘として受け止めるべきだ。(中略)これらの脆弱性をひそかに蓄積すること、そして、これらのエクスプロイトを使用することによって生じる市民への損害について、政府はよく考える必要がある」
米国の諜報機関が脆弱性を認識していながら、それを秘密にしていたとして批判されるのは、今回が初めてではない。2014年にも、NSAは「Heartbleed」バグを認識していたにもかかわらず、それを公表せず、情報収集に利用していたと報じられている。
欧州刑事警察機構(Europol)によると、現地時間14日午前現在、少なくとも150カ国の10万以上の組織が影響を受けたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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