ミクシィは5月10日、2017年3月期通期(2016年4月1日~2017年3月31日)の連結業績を発表した。売上高は2071億6100万円(前年同期比で0.8%減)、営業利益は890億800万円(同6.3%減)、経常利益は884億7200万円(同6.7%減)、純利益は598億6700万円(同1.9%減)となった。
通期では減収減益となったものの、四半期ベースで見ると、売上高は641億7100万円(前四半期は563億2000万円)、営業利益は324億9700万円(同222億2700万円)、経常利益は324億100万円(同222億6100万円)、純利益は210億300万円(同159億8400万円)と、増収増益かつ、売上高と利益ともに過去最高の業績になったという。
主力タイトルであるスマートフォン向けゲーム「モンスターストライク」(モンスト)を擁するエンターテインメント事業の売上高は、今四半期で608億9800万円(前四半期は523億5300万円)となり、この事業単体で600億円を超えている。
ミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏は決算説明会のなかで、モンストの2016年を振り返り、アクティブユーザー数が減少傾向になったものの、10月の3周年記念キャンペーンをはじめとしたさまざまな施策により復調。またそのときから盛り上がりのピークを2017年1月1日を見据えたものとし、実際に当日は過去最高のアクティブユーザー数を更新したと説明。以降も好調を維持したことが過去最高の業績につながったという。
SNS「mixi」や、傘下のフンザが運営する「チケットキャンプ」を擁するメディアプラットフォーム事業の売上高は、今四半期において32億7200万円(前四半期は39億6700万円)。チケットキャンプが大きな躍進を遂げたのをはじめ、ライフタイムが長く安定した事業の積み上げを行った1年と振り返った。
2018年3月期における事業戦略では、まずエンターテインメント事業において、130億円の投資を行う考えを示した。内訳はキャンペーンやリアルイベントなどユーザー還元施策に50億円、アニメ・動画コンテンツ領域に30億円、5月に渋谷で開設予定の常設店舗や今夏に開設予定のオンラインストア、モンスト物産展などマーチャンダイジングの拡大に20億円。これらを通じてモンストを中心としたゲームタイトルにおけるゲーム内外の領域をさらに拡大していく。
そして30億円を新規タイトルの創出に投資。現状では複数タイトルの開発が進んでいるとし、その先駆けとなる“タッグバトルエンターテインメント”と題したジャンルのタイトルを近日中に情報公開予定。初めから日本だけではなくアジアを含めた展開を見据えているという。森田氏も「モンストに続く新しい柱となるタイトルを送り出したい」と意気込む。
メディアプラットフォーム事業では、チケットキャンプにてスポーツ興行とのリレーションシップの強化、ファミリー向けの写真や動画共有アプリ「家族アルバム みてね」では海外展開や多言語化を予定、サロンスタッフ予約アプリ「minimo」では年間取引総額(GMV)で5倍の成長を見込むことなどを挙げた。
2018年度3月期通期の業績予想は売上高2000億円、営業利益と経常利益はそれぞれ700億円、純利益は480億円を見込む。減収減益の形となるが、主にモンストのアクティブユーザー数が経年による減少を考慮したのと、エンターテインメント事業の投資によるものとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」