ミクシィは11月9日、2017年3月期第2四半期の連結業績を発表した。累計の売上高は866億6900万円(前年同期比で9.1%減)、営業利益は342億8400万円(同21.5%減)、経常利益は338億900万円(同22%減)、純利益は228億7900万円(同19.5%減)と、減収減益となった。
主力ゲームタイトルの「モンスターストライク」(モンスト)などを擁するエンターテインメント事業について、第2四半期の売上高は354億2900万円と、第1四半期の440億2200万円から約86億円ほど減少した。四半期ベースでモンストのアクティブユーザーが約8%減少し、9月度単月で想定していた予算に大幅な未達があったことを要因として挙げた。
10月に3周年を迎えたモンストだが、ミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏は「“飽き”の問題に直面した四半期だった」振り返る。実際、国内におけるモンストのアクティブユーザー数は、3月から9月まで右肩下がりが続いていたことを明かした。
こうした飽きの問題は早い段階から認識し取り組んでいたものの、なかなか有効な施策を打ち出せなかったという。また10月からの3周年記念キャンペーンの準備に時間がかかっていたことや、夏休み時期に強力なスマホゲームタイトルがリリースされたことも追い打ちをかけた。こうした状況に森田氏は素直に「苦戦した」と一言。
その一方で、3周年にあわせて仕込んでいたという施策を9月下旬から次々に展開。リアルイベント「XFLAG PARK2016」を皮切りに、ゲーム内の大型アップデートやキャンペーン、マーケティング(広告)も大々的に実施したほか、アニメとゲームの連動施策も本格化。10月には国内アクティブユーザー数が過去最高を記録するほどに復調。ミクシィ取締役経営推進本部長の荻野泰弘氏によれば、アクティブユーザー数の増加分において4分の3が“戻ってきたユーザー”であることも付け加えた。
海外展開においては、韓国向けの配信を11月末で停止する一方で、南米と西ヨーロッパでテストマーケティングを開始。その様子を見てからとなるが、今後英語版の提供国を増やしていく方針としている。
SNS「mixi」や子会社のフンザが運営するチケットフリマアプリ「チケットキャンプ」を擁するメディアプラットフォーム事業は、第2四半期の売上高は38億9500万円と、第1四半期の33億2200万円から約5億7000万円ほど増加。チケットキャンプやサロン予約アプリ「minimo」などの利用者数が拡大しているという。
チケットキャンプについては、8月に音楽団体らがチケット高額転売に反対する共同声明を出し、矢面に立たされたのも記憶に新しいところ。
質疑応答のなかで、一連の出来事について荻野氏は、「大きな課題を抱えている市場であることは間違いない。またその課題は山積しており、1プレーヤーだけで解決できる問題ではない。業界全体で手を取って解決すべき」とした。
すでに詐欺行為などの悪質なユーザーに対しての取り組みは行っているとしたが、転売の“高額”の部分が問題となっていることについて質問がおよぶと、チケットキャンプはマーケットプレイスの提供であり、価格をユーザーが設定しているという前提の上で「何が『高額』であるのかが、人それぞれの感覚によって違いがあるため定義できない。価格をロック(制限)するにしても、高額の定義がないなかで、何が高額なのかをユーザーから質問されても回答のしようがない」と語る。問題としては認識しているが、高額の定義について意見を聞くためにも話し合いを続けたいう。各種団体や興行主らとの話し合いの具体的な内容についてはコメントを避けたが「こちらとしては門戸を開いて対話を通じて解決に取り組みたい」と付け加えた。
2017年3月通期の業績予想は、売上高は2180億円(前年同期比4.4%増)、営業利益は800億円(同15.8%減)、経常利益は800億円(同15.6%減)、最終利益は540億円(同11.5%減)を見込む。この数字は前四半期に発表されたものを据え置いたもので、森田氏は計画よりも下回った状態ながらも、10月度の連結売上が約180億円の見込みであり、今の状況であれば年末年始に過去最高レベルのアクティブユーザー数を維持できると踏んでいるためとしている。
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