家電ベンチャーのUPQは5月9日、2016年9月にSIMフリースマートフォン「UPQ Phone A01X」で起きたバッテリ充電中の過熱・焼損事故について、充電時のバッテリが損傷元であることを確認したと発表した。
「消費者庁および経済産業省の指導のもと第三者機関による解析を行った結果、充電時のバッテリが焼損元であることが確認できた」としている。
また、問題の原因となったバッテリの対応については準備を進めており、5月下旬を目処に案内するという。先立ってUPQ Phoneの購入者専用の電話窓口を開設している。
連絡先は、フリーダイヤル0120-291-700(PHS・携帯電話からも利用可能)。受付時間は、平日の10時~18時。氏名と連絡先、シリアルナンバーが必要になるとのことだ。このほか、メール( support@upq.me )やウェブサイトでも受け付ける。メールの返信は平日10時~18時まで。また本文には、名前、連絡先、シリアルナンバーを記載してほしいとしている。
5月9日現在では、2016年に2件、2017年に2件、計4件の連絡があり、うち重大製品事故は2件、非重大製品事故が2件。
2016年9月29日に1件目の申告を受け、行政機関らの指導のもとに調査し、バッテリと充電制御に原因があると特定した。残りの3件の事故についても、同様に充電時のバッテリが原因である可能性が高いと考えられるが、現在も原因を究明中としている。
同日に消費者庁に掲載された公表資料(PDF)には、2017年3月に沖縄で「充電中に当該製品と周辺を焼損する火災が発生した」と報告されている。
2017年5月9日に公表した重大製品事故をUPQが認識したのは4月17日だったという。重大製品事故が起きた場合、その事故を知った日を含む10日以内に報告する義務(消費生活用製品安全法第35条)があり、今回の場合は4月26日が提出期限だった。
しかしUPQが報告書を提出したのは4月27日0時20分。提出期限を超過していることから、消費者庁より厳重注意を受けており、UPQは「ご迷惑をお掛けしたことを、深くお詫び申し上げる」と謝罪している。
今回の事故が起きているUPQ Phone A01Xは、2015年12月に発売された。前モデルの「UPQ Phone A01」(2015年8月発売)から4カ月足らずで出したマイナーバージョンアップモデルだ。5点マルチタッチに対応、内蔵ストレージを16Gバイトに強化し、カラバリを全4色にしながら、当時のメーカー希望小売価格は1万4800円(税別)と手ごろ感のあるものだった。
UPQは、性能とデザイン、手に取りやすい価格を特徴とし、UPQ代表取締役の中澤優子氏が全17種24製品をほぼ1人で2カ月という短期間で開発したというエピソードで注目を集めた。
身軽なスタートアップだからできるとした一方で、技適問題によるスマートフォンの回収やCPUクロック表記の修正、4Kディスプレイの発売延期といった問題を度々起こした。
2015年12月に行ったUPQ Phone A01Xのプレスイベントでは、「UPQ Phone A01Xも頑張ろうと思えば11月中にも発売できたが、きちんとして出すほうにシフトした。同じ轍を踏まないように、項目チェックだけでなくチェックする人も置いた」とし、より慎重にモノ作りに取り組んでいると説明していた。
しかしながら、直近でも、UPQとDMM.makeが販売した4Kディスプレイの画面切り替え速度である“リフレッシュレート”の誤表記をめぐり、トラブルが起きている。
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