ICTを活用した「テレワーク」など、新たな「働き方改革」に力を入れる日本マイクロソフト。4月17日、プレス向けに記者会見と社内ツアーを開催し、最新の取り組みと今後の方向性について説明した。
日本マイクロソフト 代表取締役 社長の平野拓也氏は、2015年7月の社長就任からまもなく2年を迎える。「働き方改革のリーディングカンパニーを目指し、経営戦略の中核としてOffice 365やSkype for Businesssの活用などにより、働き方改革に取り組んできた」と語った。
日経BPの「働き方改善意識調査」によれば、経営課題で重視するポイントとして「働き方改革」が79%に上っており、売上げ・利益の拡大(69%)やコスト削減(70%)以上に重視している結果が出ているという。
平野氏は「働き方改革の関心が高いことは、会食の話題など自分の経験でも感じている」とコメント。また、マイクロソフトがアジア14カ国で実施した2020年に向けた仕事改革の調査でも、アジア全体に比べてデジタル化への準備が大幅に遅れていることが明らかになっており、「日本は環境のデジタル化へのマインドが低く、もっと改善の余地があるという印象を持っている」と語った。
日本マイクロソフト自らも、最新のクラウドやデバイスによって働き方の改善に取り組んでいる。具体的には、(1)AIの活用により、時間の使い方に気づきを与えてくれる「MyAnalytics」、(2)共同作業の改革をする「Microsoft Teams」、(3)会議のやり方を改革する「Surface Hub」がある。
MyAnalyticsは、会議やメールなどにどの程度時間を割いているかを可視化できる。また会議の傾向も詳細に分析し、検討事項として「義理で招待されていませんか。○○さんが開催した会議でマルチタスクをこなすことが多いです」などと知らせる機能を持つ。
また、「29%の会議が○○さんと一緒でした。分担することで予定表に余裕ができます」──といった“気づき”を与えられるという。
日本マイクロソフトは、実際にMyAnalyticsを使い、2016年12月~2017年4月にかけて社内検証プロジェクトを推進。4部門(人事、ファイナンス、マーケティング、営業)を対象に41名で行った結果、会議の効率化により会議時間を27%削減したという。
さらにコミュニケーションの使い分けや、在宅日などを設けて作業を効率化することにより、2時間以上の集中して作業をする時間の増加が50%増加。4部門合計で3579時間の削減ができたという。これは、対象者合計の結果を従業員2000人相当に換算した場合、業務時間削減効果を一般的な残業時間で換算すると、7億円/年相当になると説明した。
なお、これはマネージャーがスタッフを管理するためのものではなく、あくまでスタッフそれぞれが行動を見直し、“気づき”を促すためのツールという。管理のための機能はなく、今回の調査にあたっては、スタッフから同意を得てデータを得たとしている。
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