驚くほど多数のMacユーザーが、タッチディスプレイを切望している。だが、「macOS」では、AppleはMicrosoftがたどったのと同じ、長く苦しい道に踏み出さない限り実現しない。
Microsoftは、「Windows 7」でタッチ操作をサポートして以来、サードパーティー製アプリをマウスではなくタッチ操作で動かせるようにしてきた。また、同社は研究部門のMicrosoft Researchと機械学習を駆使して、アイコンのサイズを大きくせずに「Office」をより正確にタッチ操作できるようにした。
Appleも、同社のサードパーティー開発者も、Appleユーザーも、そんなことは望んでいない。
だが、「iOS」がAppleのノートブック向けOSに拡張すれば、タッチディスプレイ搭載“ノートブック”は簡単に実現するだろう。そして、Appleが「iPad」で採用するARMチップの設計手法に大きく投資していることは明らかだ。
Appleは先週、同社のARMベースのSoC向けGPU技術を提供するImagination Technologiesに対し、このGPU技術の使用を向こう「15カ月から2年の間」に終了すると告げた。そのタイミングで、よく見なければタッチディスプレイMacと呼べる、「MacBook Pro」に不満を持つユーザーを満足させられる製品が出るのではないだろうか?
Appleは常に、投資するに値しないと判断した顧客を切り捨てる準備ができている。ユーザーは最新版の「OS X」を入手するために、定期的に新しいMacを買う必要がある。
新しい「iPhone」を毎年とは言わないまでも、隔年で購入することを期待されている。OSのアップグレードも可能だが、旧モデルの端末は最新OSにうまく対応しなかったり、ハードウェアが新機能をサポートしていなかったりする。
従って、Appleが“プロ”ユーザーを見捨てる可能性はある。プロユーザーは、Appleが製造したい薄型軽量システムよりも高性能なマシンを求めている。
これらの優先項目が新しい「MacBook」のデザインを形作った。16Gバイト以上のRAMを追加すれば、より多くの電力が必要になり、つまりバッテリ持続時間は短くなる。USB-CポートのMacBookの新しいキーボード技術はあまり好評ではないが、この技術のお陰でキーボードはより薄くなっている。このデザインとのトレードオフが好きになれない? それならあなたはAppleがターゲットとするユーザーではないのだろう。
結局、Macの売り上げはAppleの総売上高のわずか10%であり、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は「iPad Pro」の立ち上げの際、タブレットはいずれノートPCに取って代わると語った。
「PCを検討している人がいるなら、なぜ今さらPCを買うのか、と思う。いや、真面目な話、どうして買うのだろう? iPad Proは多くの人にとって、ノートPCあるいはデスクトップPCの代替だ。iPad Proを使い始めれば、電話機を除いて、ほかに何も使う必要がないと結論付けるだろう」(Cook氏)
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