スマートフォンをドックに接続してPCとして使うという発想は新しいものではない。しかし、これまでの試み(HPの「Elite X3」やMotorolaの「Atrix」)は、スマートフォンの性能が十分に高くなかったり、アプリサポートが限られていたりして、成功を収めていない。
サムスンが発表した新しいドック「Samsung DeX」は、(末尾のXが大文字という一般規則を無視した名称以外にも)新たな方法でこの発想に挑むもので、2つの大きなメリットを備える。まず、非常に高性能な「Galaxy S8」用に設計されていること、そして、一部の「Android」アプリの特別に最適化されたバージョンにアクセスできることだ。これによって、驚くほどPCに似たフルスクリーン操作性が実現されている。
DeXは、閉じている状態ではアイスホッケーのパックに似た形をしているが、ふたを開けると、スマートフォンを差し込むUSB-Cポートが現れる。外部ディスプレイに接続するためのHDMI出力と、2つのUSB 2.0ポート、そしてイーサーネットジャックがある。Bluetoothを介して標準キーボードとマウスを接続することもできる。
デフォルトのインターネットブラウザ(ただしGoogleの「Chrome」ではない)、Microsoftの「Office」、Adobeの一部のアプリケーションを含む複数のAndroidアプリが、このデスクトップビュー用に最適化される予定だ。つまり、PC上での操作と同じように、複数のアプリを同時に実行したり、各ウィンドウの隅をドラッグしてアプリのサイズを変更したりすることができる。DeX用に最適化されていないアプリは、スマートフォンの形のウィンドウに開く。
PCとまったく同じ操作性とはいかないが、興味深いセキュリティ機能がある。現在のスマートフォンは非常にセキュリティが高いと考えられている。暗号化されている上に、生体認証ロックがかかっているためだ。そこでDeXでは、すべての機密データをスマートフォン上に格納し、これをデスクトップPCとして使用することで、その場を離れるときにはすべてのデータがポケットの中にある状態にするという選択肢をユーザーに提供する。
DeXドッキングステーションの正確な価格はまだ発表されていないが、事前のうわさでは149ユーロとされていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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