3月25日のiOSアップデートで、10代の間に騒ぎが起きている。「17歳以下はTwitterが使えない?」という記事や投稿を見かけた人も多いのではないか。「10代のコミュニケーションインフラなので騒ぎになるだろう」と予想したが、実際かなり大きな騒ぎとなっている。中高生ではiPhoneが絶大のシェアを誇るため、影響を受けた子が少なくないことも騒ぎに拍車をかけている。
元々、Twitterは13歳以上のユーザーを対象としたサービスだ(英文の利用規約では「13歳未満を対象としたサービスではない」となっている)。Twitter Japanによると、「場合によっては過激なコンテンツを目にされる可能性がある」ため、「ChromeやYouTubeなどiTunes上の他のオンラインサービスの年齢設定にそろえ、iOS版も17歳以上にした」という。
iOSの年齢制限は、「4歳以上」「9歳以上」「12歳以上」「17歳以上」となっている。13歳以上という区切りがないため、「17歳以上」というレーティングとなってしまったというわけだ。
その結果、10代が大混乱している。Twitterを見てみると、執筆時点でいきなり「17歳」を含むツイートが2万件以上、「17歳以下」を含むツイートが6500件以上と、関連ツイートが急増している。
10代のタイムラインは、
「17歳以下でTwitterできている人RT」
「17歳以下はアプデしたらTwitter使えなくなるらしいで」
「えー、じゃあフォロワーさんで17歳以下の人いなくなるってこと?」
「17歳以下はTwitterアップデートしないことをおすすめする」
などの投稿があふれかえり、大騒ぎとなっている。今回は騒動と変更点、対処法、この騒動からわかる10代の問題点について考えていきたい。
まず、制限内容について正確に知っておこう。そもそも制限されたのはiOSの公式アプリのみで、それ以外は一切制限されていない。たとえばAndroidの公式アプリの制限は現時点では「12歳以上」なので、中高生は利用可能だ。また、ブラウザや公式アプリ以外のクライアントアプリからなら利用可能だ。もちろん、iOSアプリでもアップデートしていなければ利用できる。
制限されるポイントも、登録している生年月日や実年齢と思いこんでいる子が多いようだが無関係だ。iPhoneのペアレンタルコントロール設定で、年齢制限をしているか否かで利用できるかどうかが決まる。
解除は簡単だ。iPhoneの「設定」→「一般」→「機能制限」→機能制限パスコード入力→「App」→「すべてのAppを許可」を選択すれば良い。つまり、利用できないあるいはアプリが消えた場合は保護者によって機能制限されている状態なので、どうしてもTwitterを使いたい場合は、理由を話して解除してもらうか、別のクライアントアプリなどを利用するといいだろう。
Twitterのタイムラインだけでなく、App StoreのTwitterアプリレビューも荒れている。アップデートによってアプリが消えてしまい、再インストールもできなくなったというコメントが殺到しているのだ。
「17+がついたので制限がかかってTwitterが使えなくなりました。本当に面白く、友達との連絡にも使っていたのではやく改善お願いします」
「なんか朝起きてツイッター見ようとしたらアプリ自体がなくなってるんですけどどうすれば」
「アプリが消えてインストールもできなくなった」
「アップデートされてて17歳未満使えんとか最悪です もう17歳超えるまで使えないんですか どうしたらいいんだ」
その中に、「17歳以下使えないってアメバのときみたいだね…」と書いていたユーザーがいた。
2012年4月から青少年を守ることを目的として、15歳以下はアメーバピグで「友人」の部屋に行くなどの交流機能が利用できなくなったことを覚えているだろうか。15歳以下は全体の14%を占めており、有料アイテムを購入しているユーザーもいたことで、炎上騒ぎとなった。2013年10月に18歳未満と18歳以上の仮想空間を分けると同時に15歳未満の利用禁止は解除されたが、それまでは利用できない状態だったというわけだ。
近年、未成年を守るために制限を強めるアプリやサービスは多い。開始当初は自由に使えるようにしていながら途中で変更し、子どもたちに混乱が起きているのだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス