スマートフォンネイティブが見ている世界

「17歳以下はTwitterが使えなくなる」大騒動に見る危険性 - (page 2)

デマに惑わされ、拡散する子どもたち

  • 詐欺系と見られるURLも出回っていた

 Twitterを見ていくと、このようなやりとりも見かけた。

「なんか誕生日設定で17歳以下になってる人はアプリ自体勝手に消えてるらしい」
「とりあえず誕生日99lineにしてきたけどいける?(1999年生まれにした、つまり年齢を制限されない18歳に変更したという意味)」

 すでに説明したとおり、誕生日設定は制限には無関係だ。しかし、このようなデマが出回り、振り回されている子は少なくない。

「17歳以下使えないの?え、Android解除方法ないわけですか? 誰か教えて」

 Androidアプリは制限されていない。しかし自分で確認もせず、パニックになっている子もいる。

 そのほか、やはり制限解除の裏技があれこれ飛び交っており、デマが拡散していく典型的な事態となっていた。

「こんなの見つけたけどこれ使っちゃえば17歳未満でもアプリ入れて使えるよー Twitter年齢制限解除ツール URL」

 などの詐欺系と見られるURLも出回っていたので、注意してほしい。

正しい情報を得るリテラシーを身に着けよう

 子どもたちにとってはLINEやTwitterなどはコミュニケーションインフラだ。LINEやTwitterだけでつながっている友人も多いため、使えないということは関係性が途絶えることにつながってしまう。つまり人間関係上の死活問題となるため、これほどの大騒ぎとなったのだ。

 10代には、不安や心配、友人の発言を事実確認もしないままツイートしてしまう子も少なくない。それを見た他の子は信じてまたリツイートしてしまい、デマが拡散されていくというわけだ。その結果詐欺に騙されたり、振り回されて絶望に陥る子もいる。

 10代には正しい情報を入手することができず、情報の真贋を確かめる能力に乏しい子が目立つ。特にインターネット上では玉石混交の情報が出回っており、情報を見極めることが難しいが、その能力を身につけない限り、デマに振り回され続けるだろう。

 情報が正しいかどうかを見極めるためには、情報の出どころを確認することが大切だ。今回のようなケースは、公式アカウント、公式サイトなどの情報を確認することがポイントとなる。同様に他のケースでは、国交庁や大手メディアの情報を確認すると、精度が高い情報が得られるようになる。保護者は、子どもに情報の真贋の見極め方を教えてあげてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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