ソフトバンクロボティクスが提供する「Pepper」は、ロボットという存在を私たちの生活の中で身近な存在にしたことは、もはや言うまでもない。2000社の企業が導入。ソフトバンクショップでも2000台が稼働しており、Pepperがさまざまなコミュニケーションを生み出している。
では、このPepperはこれからどのような未来を目指しているのだろうか。
2月21日に開催された「CNET Japan Live 2017 ビジネスに必須となるA.Iの可能性」で行われた講演「PepperとMicrosoft Azureで創る未来のソリューション」でソフトバンクロボティクス 事業推進本部 事業推進部の高野悠哉氏が語った。
ご存じの通り、Pepperの登場はセンセーショナルだった。愛らしいルックスとキャラクターはたちまち多くの人の心を掴み、Pepperが設置された店舗には多くの人が集まった。
しかし高野氏は、Pepperを取り巻く現状について「存在そのものに目新しさよりも、企業は、Pepperを業務の中でどう活用できるかを積極的に考えるようになってきている」と現状を説明。そして、Pepperの業務活用について、売り上げアップに貢献する「セールス」、業務効率化やコスト削減に貢献する「サービス」、そしてブランディングや認知向上、マーケティングに貢献する「PR」という3つの方向性を挙げた。
高野氏によると、それぞれの方向性にはすでに実例があるという。例えば、ソフトバンクショップでは、Pepperが商品やサービスの特徴やメリットをプレゼンテーションし興味を持った顧客をスタッフに引き継ぐという手法で、ソフトバンクカードの成約数を導入前の2.1倍に伸ばすことができたという。
飲食店での受付業務にPepperを導入した結果、スタッフの業務を効率化。また、ある飲食チェーンでは、店頭に設置したPepperに顧客が電話番号を入力することでクーポンを配布し、顧客リストを約1カ月で1600件以上獲得できたのだそうだ。
こうしてさまざまな形で業務に貢献し始めているPepperについて、高野氏は「Pepperはデジタルサイネージやタブレット端末などと比較して、人々が足を止め、話を聞き、行動してくれる顧客エンゲージメントの高さを実現して売り上げに貢献してくれるほか、人による接客よりもアクションのハードルを下げる効果がある。またPepperは、搭載されたセンサやカメラなどによって、マーケティングに生かせるビッグデータを収集する究極のツールだ」とその価値を説明。そして、PepperがAIやIoT(他のデバイス)と結びつくことによって、こうした価値がさらに高まるものだとした。
ところで、ソフトバンクロボティクスは2016年3月にマイクロソフトとの協業を発表している。Pepperを「Micrsoft Azure」と連携させることでPepperが生み出す価値をさらに高めるのが狙いだ。
では、PepperとAzureはどのような未来を創ろうとしているのだろうか。高野氏は現在開発、導入している事例をいくつか紹介した。
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