ソフトバンクロボティクスは2月7日、翌日の8日より開催されるPepperの法人向けイベント「Pepper World 2017」に合わせる形で、Pepperの新たな取り組みに関する発表会を実施した。
ソフトバンクロボティクスグループの代表取締役社長である冨澤文秀氏は、海外IT大手との提携や中国などへの海外進出、さらには2000社の企業に導入されたことなど、2016年のPepperの実績を改めて振り返った。その上で2017年のPepperの進化について、「Your Business」と「Your Life」という2つのキーワードを挙げた。
キーワードの1つ「Your Business」は、Pepperのビジネス活用に関する進化だ。これまで同社では、さまざまな業種・業態の企業にPepperの導入を進め、活用方法を模索してきた。そうした中でも、受付などの「サービス」や、接客・販売などの「セールス」、そして広告などの「PR」に関しては、「ダイレクトに高い効果につながる」と冨澤氏は話す。業務効率化や売り上げのアップに直接つながる効果が見えてきたことから、これらの分野をより強化するという。
会場では、カフェを想定したPepperの接客を、モデル・タレントの益若つばささんが体験するデモを実施。Pepperに話しかけながら注文し、クレジットカードで決済。さらに身分証明書を読み取ってショップの会員登録を済ませるという、一連の接客をスムーズに済ませていた。冨澤氏によると、特に会員登録に関しては「人間が促すと獲得しにくいが、Pepperが促すとめちゃめちゃ獲得できる」とのことで、Pepperによる接客が、顧客の心理的ハードルを越え、成果に結びつきやすいことをアピールした。
そしてもう1つのキーワード「Your Life」は、コンシューマー向け、つまり一般販売モデルのサービス強化である。ソフトバンクロボティクスの取締役 コンテンツマーケティング本部 本部長である蓮実一隆氏は、「購入してもらった人が良いことが実感できるものを作らないといけない」と話し、Pepperの利用者をいかによい暮らしへと導いていけるか真剣に考えた結果、新たに5つの新しいアプリを追加することにしたという。
1つ目は、ココロとカラダを進化させるアプリ群「Pepperヘルスサポート」。脳医学博士の加藤俊徳氏が監修した脳トレアプリ「Pepperブレイン」と、精神科医の名越康文氏が監修したメンタルヘルスアプリ「Pepperヒーリング」の2つを提供する。PepperブレインはPepper自ら手足を動かして脳トレを実践するほか、Pepperヒーリングでは声などからPepperが感情をセンシングして調子を診断するなど、それぞれロボットならではの特性を存分に生かした内容となるようだ。
2つ目は、コルグの技術を活用した「バーチャルサラウンド」で、耳に備わっている2つのスピーカーを活用し、Pepperと向かい合うだけでその場にいるかのようなサウンド体験ができるという。そして、このアプリを活用したコンテンツとして、リアルな時間旅行が楽しめる「Pepper Imagination」や、落語家の春風亭一之輔氏が監修する「飛び出すロボ落語」などが提供されるとのことだ。
3つ目は、Pepperを遠隔操作してペットや子どもなどを見守る「Pepper View」。ペッパーを直接操作することで部屋全体を見渡せるほか、声で話しかけることも可能になるという。
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