UberとWaymoの間の争いがヒートアップしている。Alphabet傘下のWaymo(Googleから独立した自動運転技術を専門とする新会社)が、Uberの自動運転車開発の差し止めを裁判所に求めた。
Waymoは、UberとUberの自動運転車部門を統括するAnthony Levandowski氏に対する仮差し止め命令を求めている。Waymoは2月、Uberが企業秘密を盗み、同社独自の開発作業に利用したとして、Uberを提訴していた。
Googleは、2007〜2016年までソフトウェアエンジニアとしてGoogleに勤務していたLevandowski氏が、Ottoという自律走行を専門とする企業を設立する前に機密データを盗んだと考えている。2016年にOttoが設立されてからわずか6カ月後、UberはOttoを買収した。
Waymoの訴えによると、Levandowski氏は、Googleの自動運転技術に関する機密情報を含むリポジトリから1万4000件のファイルを自身の個人用ノートPCにダウンロードしたという。
Waymoの広報担当者は電子メールで、「競争は、違法行為ではなく、研究室と路上でのイノベーションによって促進されるべきものだ」と述べた。「われわれが把握している有力な証拠に基づき、当社のエンジニアが多大な時間を費やして開発した知的財産(IP)を保護し、盗まれたIPが何らかの形で利用されることを防ぐために、裁判所の介入を求めている」(Waymo広報担当者)
問題の機密情報には、LiDARの開発のためのファイルが含まれる。Waymoは、サプライヤーよりも高度で安価なシステムを独自に構築できるとの考えのもと、LiDAR技術を独自に社内で開発しようとした。LiDARは、多くの企業が自動運転車開発の極めて重要な要素と考えているシステムだ。
Uberがもしこの情報を利用していれば、この技術を開発、展開して他社に販売することが可能になり、Waymoが計画していたビジネスモデルの一部を阻害することになる。
Uberにコメントを求めたが直ちに回答は得られなかった。
Uberはこれまでに、この訴訟の背景にある主張について「根拠がない」とし、「競合他社の動きを鈍化させる(試み)」と述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス