Googleの親会社であるAlphabetが、自動運転技術を専門とする新企業Waymoを設立した。Googleが米国時間12月13日に発表した。
新企業のミッションは、「人間と物資を安全かつ容易に移送できるようにすること」だ。Googleの「Self-Driving Car Project」を統括していたJohn Krafcik氏が、Waymoの最高経営責任者(CEO)に就任する。
Googleは2009年から自動運転車技術の開発を進めており、2014年に独自の自動運転車プロトタイプを初めて披露した。このプロトタイプにはハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルがなく、組み込みセンサとソフトウェアシステムによって安全に操作されていた。
自動車業界で最も注目される研究分野である自動運転車は、米国の道路交通事故による年間数万人もの死者数を大幅に減らすか、なくす可能性を秘めている。またこの技術は、米国都市部において燃料消費量と時間の無駄につながる最大要因となっている交通渋滞も緩和する可能性がある。自動車メーカー以外にも、装置サプライヤー、新興企業、大手IT企業がこぞって自動運転車技術の開発に取り組んでいる。
Waymo発表の一環として、Krafcik氏は、同プロジェクトは2015年、目の不自由なSteve Mahanさんが初めてのドライバーとして完全自動運転車に乗車したことで、1つの大きな節目に達したと述べた。この車両は、ハンドルやペダルなど運転者用の制御機器がないことを意味する、レベル5の自動運転車と定義されている。Googleの多数の車両を含む、現在試験されているほとんどの自律走行車がレベル4に達しているが、レベル4は運転者用の制御機器がまだ装備されていることを意味する。
Googleによると、Mahanさんは、完全自動運転の試験が許可されているテキサス州オースティンでこの自動運転車に乗車したという。
Krafcik氏は、Waymoの自動運転車プラットフォームはまだ開発途中で、他の企業へのライセンス供与や販売の準備は整っていないとした。一方、The Informationの記事によると、Google親会社のAlphabetは、自動車メーカーと提携して一般的な車両に見られる従来の運転席装置を備えた自動運転車を開発することに、注力する計画だという。その方向転換によって同社は、2017年末までに自動運転車によるライドシェアリングサービスを提供開始できる可能性があると、The Informationは同プロジェクトをよく知る人物らの話として報じた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス