拡張現実(AR)と仮想現実(VR)は、現代のスマートフォンに欠かせない要素になりつつある。専門家は、モバイルデバイスがARとVRの需要を後押しするという意見だ。
「VRとARの最近の動きは、スマートフォンメーカーではなく、スタートアップやゲーム会社から始まった」。そう語るのは、ARおよびVR用ヒューマンコンピュータインタラクションのアプリケーションを開発しているuSens Inc.の共同創設者で、最高技術責任者(CTO)を務めるYue Fei氏だ。
「だが、今ではスマートフォンメーカー各社が、画期的なコンピューティングデバイスの新しい波に乗ろうと躍起になっている。これまでにも、さまざまな業界で最新のトレンドをめぐって何度も繰り返されてきたように、各社とも変革にすっかり乗り遅れるのを恐れているのだ。既存概念を超えるようなトレンドをつかみ損ねた企業が時代に取り残され、存在感が薄れてしまうことは、歴史が証明している」(Fei氏)
この2つの技術を比べると、ARの方が普及は後になるが影響度は大きいとMike Boland氏は語る。同氏は広告業界とマーケティング業界に主軸を置く顧問会社BIA/Kelseyの主任アナリスト兼コンテンツ担当バイスプレジデントであり、VR/AR Associationのチャプタープレジデントも務めている。
「ARは消費者向けにしても企業向けにしても、商業的な用途の幅が広い。また、ARのグラフィックオーバーレイは実用的であり、完全没入型のVRと違って、理論上は1日中の利用も可能だ」(Boland氏)
ARが後から普及する理由について、Boland氏は次のように述べている。「コンピュータビジョンによって、現実世界と正確な位置関係で情報をやり取りするグラフィックオーバーレイを作り出すのが難しいからだ。技術的なハードルだけではなく、文化的なハードルもある。誰もがARメガネをかけるスタイルが、まだ現実的ではないということだ。こういったことから、ARは当面、スマートフォンベースで商機が見込めるといえる。もちろん、インストールベースで26億台のスマートフォンがすでに出回っていることは言うまでもないが」
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