KDDIは2月2日、2017年3月期第3四半期(2016年4~12月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比6.8%増の3兆5222億1900万円、営業利益は同15.4%増の7757億3700万円、純利益は同15.4%増の4713億9800万円となった。子会社のUQコミュニケーションズが提供する格安スマホ(MVNO)サービス「UQ mobile」の契約数が増加し、業績を押し上げた。
au契約数とMVNO契約数を合算した「モバイルID数」は2566万、またMVNOは第3四半期で10万の純増となり35.7万契約だった。UQ mobileは、テレビCMなどの効果で契約数が急増しており、同社ではMVNOの新規市場で30%のシェアを目指すとしている。ただし、auからUQ mobileにユーザーが流れると、顧客1人あたりの売上金は下がるため、新たな施策も必要になるとKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は話す。
「auスマートパス」の会員数は1500万を突破。1月にサービスを開始した、より幅広い特典を受けられる「auスマートパスプレミアム」によって、さらなるユーザー獲得を狙う。長期利用者の優遇施策である「au STAR」は600万会員を超えた。また、「au WALLETカード」(プリペイド・クレジットカード)の発行枚数は2000万枚を超え、そのうちの200万枚がクレジットカードだという。au WALLET決済が増えており、“au経済圏”の流通総額は8970億円まで拡大しているとした。
1月31日には同社によるビッグローブの買収が完了した。現在、ビッグローブのISPサービスは200万契約を超え、MVNOなどモバイルサービスは40万契約を超える。田中氏は、双方の顧客やショップなどのアセットを活用してシナジーを創出したいと話す。また、ビッグローブの「Gポイント」と、auのWALLETポイントの連携なども考えていると説明した。
同社ではIoTビジネスにも積極的に投資している。2016年10月にはSIMを活用したIoTセキュリティ技術を開発したほか、同年12月には法人向けのIoT開発支援サービス「KDDI IoTクラウド Creator」や、IoT向け通信サービス「KDDI IoTコネクト Air」を開始した。さらに、1月には法人向けIoT検証キット「LoRa PoC キット」の提供を始めている。
同日には通期業績を見直すことも発表された。営業利益は期初予想より250億円高い9100億円、EBITDAは同200億円増の1兆5000億円、またau通信ARPA(1ユーザーあたりの月間売上高)は同100円増の5830円へと、それぞれ上方修正した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」