NTTドコモは1月27日、2016年3月期第3四半期(2016年4~12月)の連結業績を発表した。売上金は前年同期比2.5%増の3兆4695億9300万円、営業利益は同22.9%増の8423億3600万円、純利益は同19.7%増の5894億2600万円となった。無料通信分を繰り越せる「ずっとくりこし」の減収影響がなくなったほか、有形固定資産の減価償却方法の変更の影響などにより営業利益が増加した。
携帯電話契約数は前年同期比6%増の7359万、スマートフォン・タブレットの利用者数は同10%増の3493万、また解約率は前年同期より0.02%改善して0.57%となった。料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の契約数は同1.3倍の3520万、固定通信「ドコモ光」は1月14日に300万契約を超えた。ARPU(1ユーザーあたりの月間売上金)は前年同期から220円増の4450円。
「(格安スマホによる)影響があることは確かだが、イメージよりも大きくない」――NTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘氏は、勢いを増す「Y!mobile」や「UQ Mobile」などの“格安スマホ”による顧客流出について、それほど大きな影響を受けていないとの認識を示した。フィーチャーフォンからスマートフォンに移行するユーザー向けの「はじめてスマホ割」など、さまざまな対抗策によって、他社への流出を最小限に抑えられたと説明する。
同社では、2016年から顧客還元に力を入れており、還元額は通年で1500億円規模に拡大しているという。たとえば、1月20日には「ドコモの学割」の提供を開始。また、1月30日には「カケホーダイライトプラン」にパケットパック「データSパック」を追加し、すべてのシェアパックとデータパックでカケホーダイライトを利用できるようにする。ドコモユーザーは、月額4900円からスマートフォンを利用できるようになる。
LTEの基地局数は、2016年12月末時点で前年同期から2万8300局増えて15万4300局。370Mbpsの高速通信サービス「PREMIUM 4G」の対応基地局は、前年同期から3万5900局増えて4万9400局となった。また、2016年10~12月に計測した実効速度は、ダウンロードが前年同期の1.7倍となる118Mbps、アップロードが同1.1倍となる23Mbpsだったという。
決済などモバイルと親和性の高い「スマートライフ領域」の営業利益は、前年同期比42%増の982億円。また、同社の直営ストアである「dマーケット」の契約数は1561万、「dカード」の契約数は1731万だった。ドコモのビジネスアセットを活用して新たな価値を“協創”するパートナー数は205まで拡大した。
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