復活を期すNokiaとBlackBerry--新型スマホ発売で捲土重来なるか - (page 2)

Jessica Dolcourt (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年01月23日 07時00分

ハイエンドを目指すBlackBerryとミッドレンジに狙いを定めたNokia

 NokiaとBlackBerryは同じような野望を抱いているが、それぞれ異なる方法でその野望を達成しようとしている。BlackBerryの「Mercury」が目指すのはハイエンドだ(どれだけハイエンドなのかは不明だが、「プレミア」と言われている)。一方、Nokia 6はミッドレンジにしっかりと狙いを定めており、中国での販売価格を米国の通貨に換算すると、約250ドルになる。われわれはNokiaブランドのスマートフォンラインアップに関するHMDの計画について詳しいことは知らないが、同社が今後3年間でグローバルマーケティングに5億ドルを投じる予定であることは分かっている。

 BlackBerryブランドの使用権を取得したTCLも今はハイエンドを狙っているかもしれないが、Alcatelの北米部門を統括するSteve Cistulli氏が米CNETに述べたところによると、今後は低価格から高価格までを網羅する完全な端末ポートフォリオを構築していく予定だという。2017年中にMercuryの低価格版が登場するはずだ。

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Nokia 6
提供:HMD

購入したいと思うユーザーはいるのか

 しかし、潤沢な資金が用意されたところで、それは違いをもたらすのだろうか。入念な計画によって、新たな購入者を獲得できるようになるまで、NokiaとBlackBerryの負のスパイラルを食い止めておくことができるのだろうか。

 それは何とも言い難い。

 暗黒の「Microsoft Lumia」時代、特にコスト意識の高い新興市場において、Nokiaは堅実なハードウェアを提供する低価格ブランドとして最善を尽くした。Nokiaブランドは、お買い得なブランドになった。Androidを採用した今、Nokiaがミッドレンジ市場で勝負できる可能性はある。ただし、同ブランドには内蔵のワイヤレス充電機能や金属製筐体を採用してきた歴史があるものの、カラフルなプラスチック製筐体から大幅に逸脱することがNokiaのデザイナーたちに認められていたのはずっと前のことである。そのため、超プレミアのAndroid搭載Nokiaスマートフォンを想像するのは難しいかもしれない。

 一方、BlackBerryは、同社のセキュリティソフトウェアこそが差別化要因、つまりBlackBerryは普通の消費者が欲しがるような端末ではなくビジネス用端末のためのソフトウェアだという考えにこだわる限り、アイデンティティの危機に苦しみ続けるだろう。とはいえ、BlackBerryの特徴であるQWERTYハードキーボードが、バーチャルではなく物理的な文字入力という考えを好むあらゆるユーザーにとって魅力的なのは確かだ。

 昔なら、少なくとも発売当初は、熱狂的なファンがNokiaやBlackBerryの最新携帯電話の売り上げを下支えしてくれることを期待できた。しかし、そうした熱狂的ファンを除くほぼ全員がそれらのブランドを見限って、AndroidやiPhoneなどの代替製品に乗り換えた今、これらの老舗ブランドがミッドレンジやローエンドの市場でニッチな居場所を見つけられるのかさえ、現時点ではまだわからない。こればかりは、今後の成り行きを見守るしかないだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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