サイボウズスタートアップスは12月21日、部門の管理を想定した大規模組織でも利用できる「安否確認サービス2」の提供を開始した。初期費用は0円で、2017年3月末までは無料で提供する。2018年8月で1000社、2020年末で2000社、100万ユーザーの導入を目指す。
同社は2011年12月に「安否確認サービス」の提供を開始。以来、約500社、20万ユーザーに利用されるまでに拡大したが、大規模組織には対応できないことを理由に、5000人以上の場合は提供を断っていたという。そこで同社では、大規模ユーザーからの問い合わせが増えていることを受け、子会社などに部門管理者を配置できる、5万人規模での運用を想定した安否確認サービス2を提供することにしたという。
安否確認サービス2は、日本の大企業に多く見られる親会社と子会社の関係や、事業部ごとに責任者を置く組織形態でも、スムーズに利用ユーザーのメンテナンスができるという特徴がある。組織が大きくなるとシステム導入時にネックとなる要素のひとつにアクセス権の設定があるが、同サービスでは子会社や各事業部に責任者を設置でき、柔軟な分散管理が可能だという。
また、緊急時の責任者である「危機管理責任者」を子会社に設置できるため、親会社の管理者主導による全体訓練だけでなく、各子会社の中だけで個別に訓練や実際の緊急連絡が可能。
従来のシステムでは、子会社を含めた全体訓練しかできない場合、日程の調整などが難しく訓練の頻度が極端に落ちるケースもあったというが、同サービスでは「部門危機管理責任者」の権限で、自社範囲でのみの訓練をいつでも実施できるという。なお、災害などの緊急時にも、各子会社で集計をした安否確認を親会社では一括管理、各子会社では自分の組織のみ確認するといったことが可能だという。
さらに、親子会社の関係の場合、採用権は子会社で持っており、独自に採用活動をしている場合が多いが、人事・ユーザー情報などを更新する「システム管理者」も子会社に設置できるため、親会社の管理者がユーザーデータを収集する必要がないとしている。
このほか、安否確認サービスに搭載されたコミュニケーション機能も実装。緊急時におけるメールの一斉送信だけでなく、全体連絡のための「掲示板」や、個別連絡のための「メッセージ」にも対応している。これらのコミュニケーション機能に関しても、子会社のアクセス権を細かく設定できるため、大企業でも密なコミュニケーションを適切な範囲で行えるという。
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