Facebookはパリで発生したテロ攻撃で安否確認機能「Safety Check」(災害時情報センター)を有効化したが、レバノンの首都ベイルートで連続爆発が起きた際には有効化しなかったとして批判された。これを受けて最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は、人為的災害の発生時、Safety Checkを有効化する頻度を高めると約束した。
パリ市内で発生した一連の銃撃と爆発により、100人以上が死亡、350人以上が負傷した事件を受けて、Facebookは米国時間11月13日、Safety Checkを有効化した。同機能は影響を受けた地域にいるユーザーに安否確認のメッセージを自動的に送信する。ユーザーが「Yes, let my friends know」(自分の無事を報告)をクリックすると、Facebook上の友達に通知される。
パリでの攻撃発生後、400万人以上のユーザーが同機能を利用して、自分の無事を伝えた。しかし、プロフィール写真を加工して、パリの人々に団結を表明することができる機能を有効化した後、Facebookはベイルート郊外で2件の自爆テロが相次いで発生したときに同様の関心を示さなかったことを非難された。パリのテロ攻撃の前日に起こったこのベイルートの自爆テロでは、40人以上が死亡し、200人が負傷した。パリとベイルートの両方のテロ攻撃について、イスラム国(IS)が犯行声明を出している。
Zuckerberg氏は14日にFacebookに投稿したコメントの中で、「世界では、ほかにも多くの重要な紛争が発生しているとの批判は正しい。われわれは、すべての人々のことを等しく気にかけている。今回のような事件が起きた場合、可能な限り多くの事件で、苦しんでいる人々を支援できるように懸命に努力していく所存だ」と述べた。
Facebookの成長担当バイスプレジデントであるAlex Schultz氏は、「危機的状況に陥ったときはコミュニケーションが極めて重要だ」と述べたが、Safety Checkがあらゆる災害状況に最適というわけではないことも認めた。
Schultz氏は14日のFacebook投稿で、「自然災害の場合、われわれは範囲や規模、影響を含む一連の基準を適用する。戦争や伝染病の発生といった進行中の危機の場合、現状のSafety Checkは人々にとってそれほど有用ではない。なぜなら、明確な開始点と終了点が存在しないからだ。残念ながら、誰かが本当に『安全』だと確信できる時点を知るのは不可能だ」と述べた。
Schultz氏によると、Facebookは今回のパリでのSafety Check有効化後に受け取ったフィードバックを教訓にして、この機能を有効化する条件に関する社内ポリシーを変更する予定だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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