Facebookは米国時間11月17日、安否確認機能「Safety Check」について、Facebookが手動で発動をするのではなく、今後はFacebookを毎日利用する12億人のユーザーの力を借りて、この機能を有効化するという。
Safety Checkは、危険が差し迫る地域にいるFacebookユーザーにメッセージを送信し、ユーザーが友人や家族に自分の無事を伝えられるようにする機能だ。これまでにハリケーンなどの自然災害のほか、銃乱射事件やテロ事件で利用されている。
Facebookはこの2年間で、Safety Checkを39回有効化した。一方、同社のコミュニティーに基づくSafety Checkツールでは、6月にテストを開始して以来、335件の危険な出来事が報告されている。コミュニティーが最初にSafety Checkを発動した出来事としては、6月に起きたオーランドのナイトクラブでの乱射事件などがある。
コミュニティーに基づくSafety Checkツールは現在、正式に稼働している。このツールは、「地震」「火事」「銃乱射」など、一部の地域から集中して発信される危険を示すキーワードを検出することによって機能する。Facebookがその後、サードパーティーのセキュリティ企業とともに実際に危険が迫っていることを確認したうえで、Safety Checkが発動される。そこから、ユーザーは同じ地域にいる友人や家族にSafety Checkを選択して共有することができる。
今回の変更により、これまでFacebookが把握することが困難だった、近隣で発生した危険の緊急性についてコミュニティーが判断できるようになる。
Facebookで災害対策を担当するリードエンジニアであるPeter Cottle氏は、17日にニューヨークで開催されたFacebookのSocial Good Forumで、FacebookがSafety Checkを制御していた際は、何を災害とみなすかについての基準が高く設けられていたと述べた。
「フィリピンの台風で家屋が6インチ(約15cm)浸水した場合、カリフォルニアではそれを大きな問題だと思うかもしれない」とCottle氏は述べた。 「しかしフィリピンでわれわれが調査したところ、地元の人々はそれほど大きなことではなかったと述べた」(Cottle氏)
ユーザーがSafety Checkのメッセージを無視した場合、Facebookはその出来事がそれほど緊急性の高いものではなかったと判断し、最終的にSafety Checkは消える。
「どれだけのユーザーがそのメッセージを拡散し、自分の無事を連絡したか、またそれほど素早く進行したかを確認することができる」(Cottle氏)
Facebookはまた、ユーザーがチェックインして無事であることを報告した後にアクセスできる「Community Help」ページもテストしている。このページでは、避難所や食べ物、物資を必要とする場合や、そうした支援を提供できる場合に投稿できる。
Cottle氏によると、パリ同時多発テロ後に避難先を提供するハッシュタグ「#PorteOuverte」(「開いた扉」の意)が話題になったように、ソーシャルメディア上で人々からの支援が大量に集まることにヒントを得て、Facebookはこの機能を開発したという。
Facebookは、GPSの位置情報や、自分が支援を受けていることを人々に知らせる報告機能など、すべての支援を一元化したいと考えている。
「われわれが目にしたのは、人探しの非効率性があまりにひどいことだ。近くにいる人を見つけられなかった。こうしたツイートの中には、広く拡散されて、本人がすでに支援を受けた後なのに、いまだにリツイートされ続けているものもある」(Cottle氏)
Community Help機能は、2017年1月までに公開される見込みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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