このまごころタウン静岡に導入されているこのシステムをインフィック、イサナドットネット、ユニアデックスの3社が共同で行うことになったきっかけは、東京エレクトロンデバイスと日本マイクロソフトが協力して2月に発足した、「IoTビジネス共創ラボ」のヘルスケアワーキンググループでの出会いだったという。
すでにまごころタウン静岡に導入済みだったものの、活用しきれていなかったPepperをMicrosoft Cognitive Servicesを活用した実証実験として使用することになり、もともとPepperのアプリケーション開発で実績があったイサナドットネットが名乗りを上げ、ユニアデックスが調整していった。
Pepperを導入するまでの経緯や今後の展開について、イサナドットネット ビジネスデベロップメントの阿部将文氏、 イサナドットネット ソフトウェアエンジニアの山田耕平氏、まごころタウン静岡施設長の原﨑伸治氏、インフィック・コミュニケーションズ 取締役副社長 インフィックグループCIOの木瀬昌浩氏、ユニアデックス エクセレントサービス創生本部 プロダクト&サービス部 IoTビジネス開発室 チーフスペシャリストの藤井茂樹氏に話を聞いた。聞き手はCNET Japan 編集長の別井貴志だ。
木瀬氏:われわれは、まごころタウン静岡の運営元ですが、同時に介護現場で使うセンサ機器の開発も行っています。ですから医療や介護の現場では実証実験を行うためのハードルが高いことも実感していました。3社共同の取り組みの中で、次の価値を創造できる場として提供しました。
別井:そもそも、まごころタウン静岡にPepperを導入したのはいつごろですか?
木瀬氏:発売されてすぐです。介護現場の職員の負担軽減を目的として“静岡県で1台目のPepper”を導入しました。今日もエントランスでPepperに会われたと思いますが、手洗いやマスクを促すなど職員が行う声がけなどもPepperに行わせたいと考えています。それだけでも職員の負担軽減にはつながります。5秒でもいいので、その積み重ねがほしいんです。
別井:きっかけとなったIoTビジネス共創ラボでの出会いはいつ頃だったのでしょうか?
阿部氏:7~8月ごろですね。もともと弊社で血圧を測るシステムを持っていたので、それにMicrosoft Cognitive Servicesの顔認識を組み合わせるともっと介護の現場で役に立つものになるのではないかと考えました。こちらにお邪魔して現場を見学するなどして、実質1カ月ほどの開発で実装しました。
原﨑氏:まだ導入して日が浅いのですが、やはり顔認証して名前を呼んでくれることは喜ばれています。意外にロボットを“かわいいね”と愛着を持たれている方が多いですね。今後の可能性を感じています。
今はデイサービスでの血圧測定を想定していますが、今後特養の入居者のバイタルチェックが移行できたり、その数値を管理して異常値があれば通知できたりするしくみができればかなり役に立っていくと思います。スタッフ自体幅広い年齢層が働いていますので、使い方も簡単なものがほしいですね。
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