動画配信プラットフォームを展開するブライトコーブは12月1日、ソーシャルビデオ管理/配信ソリューションである「Brightcove Social」を公開した。
この製品は同社が企業向けに提供している動画配信環境である「Video Cloud」と「Video Marketing Suite」に対する付加機能として位置付けているもの。自社で保有している動画コンテンツ資産を一元管理しながら、YouTube、Facebook、Twitterなど複数のソーシャルメディアに動画を一斉投稿したり、パフォーマンス統計を集約したりできるという。
大手企業をはじめ、動画コンテンツをデジタルマーケティングの有力な資産として活用する企業は増えてきたが、ブライトコーブは今回の製品を通じて、企業が動画を活用したコンテンツマーケティングの今後に、どのような示唆を投げかけようとしているのか。ブライトコーブのシニアディレクターである北庄司英雄氏と、デジタルマーケティングマネージャである大野耕平氏に話を聞いた。
――まずは、ブライトコーブの製品におけるBrightcove Socialの位置づけについて教えてください。
北庄司氏:ブライトコーブは長年に渡って、動画専用のクラウドCMSであるVideo CloudとVideo Marketing Suiteを通じて、動画の管理、再生、動画ポータルの作成、ライブ配信、コンバージョン(インタラクション)の創出、視聴ログ解析、マーケティングツールとの統合・連携などの環境を提供してきました。
最近では、動画の視聴データをマーケティングオートメーションと連携させることで、コンバージョンへの誘導を効率化したり、ビデオポータルの生成が簡単になったことで、オウンドメディア内にビデオライブラリーを組み込んでエンゲージメントを強化したりといった動きが活発になってきています。
その中、今回発表したBrightcove Socialは、ソーシャルメディアへのディストリビューション環境を提供するものです。具体的には、Video CloudとVideo Marketing Suiteの機能である「YouTube Sync」「Facebook Sync」「Twitter Sync」というソーシャル連携機能をひとつにまとめた製品です。
おそらく、デジタルマーケティングの担当者は、YouTubeをはじめとするソーシャルメディアを積極的に活用しているのではないかと思います。そうしたマーケターに対して、オウンドメディアの動画コンテンツではBrightcoveの専用環境を活用し、その資産を生かしたソーシャルメディアへの配信はBrightcove Socialを利用して効率よく行ってもらおうというのが、今回の狙いになります。
――YouTubeへのアップロードだけでなく、FacebookとTwitterを連携先にしているのはなぜでしょうか。
北庄司氏:近年、デジタルマーケティング担当者の動画コンテンツ運用で、YouTube、Facebook、Twitterに配信しているという声は高まっています。企業にとっては運用が大変ですが、ユーザーのメディア接触は分散化して、それに対応する必要はあると思います。YouTubeに置いておけばいいという時代は終わったのです。
――機能的にはどのような特徴があるのでしょうか。
大野氏:管理画面から事前にYouTube、Facebook、Twitterのアカウントを登録してもらうと、裏でAPI連携する仕組みになっており、その後は管理画面から動画コンテンツとアップロード先を選べば複数のソーシャルメディアに同時にアップロードできるようになります。企業によっては複数のYouTubeチャンネルやFacebookページを管理している場合がありますが、それらもすべて登録してアップロード先を選べる仕組みです。動画はすべて各ソーシャルメディアのネイティブプレイヤーで再生されます。
なお、ソーシャルメディアによって動画の長さを変えたい場合や、長尺の動画を短くしたい場合などには、管理画面から動画編集してアップロードすることが可能です。また自動同期機能を活用すれば、管理画面に動画を登録しただけで自動的に登録されたソーシャルアカウントにも動画を公開することもできます。
――配信後の統計はどのように確認できるのでしょうか。
大野氏:管理画面のダッシュボードでYouTubeとFacebook、そしてBrightcoveのネイティブプレイヤーによる動画再生回数の統計やコメント、いいね、リツイートなどのソーシャルレスポンスの統計を確認できます。TwitterはAPIで再生回数データを公開していないため、この統計には含まれません。
再生回数のカウントについては独自の基準を設けており、YouTubeでは30秒以上、Facebookでは3秒以上の視聴で1回再生とみなしています。データの反映は各サイトのAPIに依存しているので、時差が生じることがあります。
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