動画をYouTubeに置いておけばいい時代は終わった--ブライトコーブの提言 - (page 2)

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動画からビジネスのインパクトを生み出すには

――ところで、説明の中で「動画の視聴とマーケティングオートメーションの連携」という点を強調されていますが、具体的にどのようなスキームなのでしょうか。

北庄司氏:たとえば、ある大手電機メーカーのBtoBマーケティングだと、リードジェネレーションを目的として動画を活用しています。事例や製品紹介の動画をオウンドメディアで提供して、その裏ではマーケティングオートメーションのツールを走らせます。そして、視聴した動画の種類や視聴時間に応じて、次にどのようなアクションを促すかをマーケティングオートメーションによって自動的に決めていくのです。

 2016年の動画マーケティングのグローバルなトレンドを振り返ると、インタラクティブ化の拡大とマーケティングオートメーションとの連携が挙げられるのではないかと思います。たとえば、動画再生中にアンケートを組み込んだり、動画視聴後にリードフォームが出現したりして、得られた情報をマーケティングオートメーションに蓄積していくといった仕組みです。こうした仕組みは日本でも導入が進んでいくと思います。

北庄司氏
マーケティングにおける動画の役割について今後の展望を語る北庄司氏

――誰が動画を視聴しているのかを追えるということですね。

北庄司氏:マーケティングオートメーションと連携することで可能になります。ある人が製品紹介動画の87%を視聴したということがわかれば、次のアクションとしてメールを配信して製品検討の後押しをしよう、95%以上視聴していれば、もう営業担当者が電話をしてフォローをしよう。こうしたことがマーケティングオートメーションとの連携によって可能になるのです。

 もはや、動画を作って配信するだけで満足という時代は終わりを告げるのではないかと思います。動画をどのように顧客に提供していくか、そしてそこで得られた情報を、どのようにビジネスの拡大に活用していくかが今後の大きなテーマになると思います。

――動画の視聴データというのは、デジタルマーケティング担当者にとってはなかなか活用が難しいものだと思います。ソーシャルメディアであれば、再生回数のインパクトや拡散数くらいしか参考になりません。どのように活用すればいいのでしょうか。

北庄司氏:再生回数や拡散数がマーケティング活動にどのような貢献をしているかというのは、なかなか見えてこない部分だと思います。たとえば、ピコ太郎の「PPAP」が数億回再生されたというのは確かに凄いことですが、企業のCMが数十万回再生されたことがどのような価値を持っているのかはわからないですよね。再生回数は上司にレポートする時くらいしか意味を持ちません。

 ただ、動画の視聴状況を追うこと自体には大きな意味があると思います。Brightcoveの動画配信では、視聴者がどこで視聴を離脱しているのか、動画を飛ばして観ているのか、どれくらいの割合で視聴を完了しているのかなどがすべて可視化できるのですが、こうしたデータを参考に動画コンテンツそのものを見直せるようになります。コンテンツマーケティングは感覚に頼りがちですが、数値化することで改善のヒントが見えてきます。

 動画のどのようなシーンで離脱率が上がるのか、減るのか。どのような構成だと視聴完了率が下がるのか、上がるのか。サムネイルの内容で再生回数に変化が生まれるのかなどを分析すれば、動画コンテンツそのものを細かくチューニングしてエンゲージメントを高められます。これは制作会社にとっては頭が痛い話ですが(笑)、漫然と作って公開するよりも効果的に動画コンテンツを活用できるようになるのです。

グラフ
動画再生中の視聴者数推移を示したグラフ。ここから再生中に離脱することが多いポイントがわかる

大野氏:かつては、テレビCMのリソースをYouTubeに公開しておけばそれでよかった時代もありました。しかし最近では動画コンテンツも多彩になり、動画制作にコストを掛けるようになった。Brightcoveのような有償サービスの導入企業も増えてきました。

 ただ、「そこまでやる価値ってどこにあるんだっけ?そもそもこれってどれだけの効果があるんだっけ?」という点については、今までなかなか明確になってこなかった部分だと思います。ただ、統計分析機能が充実してきている中で、改めて動画マーケティングの効果を検証し、さまざまな改善を試みる必要があるのではないでしょうか。

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